2025年、京都を彩った出来事──映画『国宝』異例の試写会ほか【注目ニュースまとめ】

映画『国宝』ジャパンプレミアより、左から横浜流星、吉沢亮(5月30日・京都市内)
2025年の京都では何があった? 5月、大ヒット映画『国宝』の熱狂は京都の世界遺産・東寺から始まり、注目の飲食ブランドや著名人の新店も続々誕生。さらに新感覚アート施設から懐かしのお化け屋敷復活まで、京都で起きた印象的な出来事を振り返る。
■ 映画『国宝』──驚異のヒット、そのはじまりは京都だった

2025年、社会現象級のヒットとなった映画『国宝』。上映時間約3時間の大作ながら、邦画実写の興行収入1位(173.7億円を突破)という記録を打ち立てた。その勢いを振り返ると、物語の幕開けは京都でおこなわれた「豪華すぎる」日本初の試写会からだった。


試写会の舞台は、なんと世界遺産・東寺。上映前には主演の吉沢亮をはじめ、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙と李相日監督も登場し、集まった招待客約600名からは大歓声があがった。
吉沢は「ここまでの関係者の皆さまの試写会やカンヌ国際映画祭で、たくさんの方々にこの作品を絶賛していただいて。多分みなさまのなかでもすごくハードルが上がっているというか、期待値の高い作品になっているような気がしますが…」と前置きしつつ、「確実にその期待は超えている作品になっていると思います。本当に極上のエンターテイメント作品をお届けできると確信しています」と力強く呼びかけていた。

22年ぶりという快挙につながる評価の高まりは、この京都での反響から確実に加速していった。
■ 注目の飲食店、「関西初」の地に京都を選ぶ

2025年は、話題の飲食ブランドが次々と「関西初出店」として京都の地へ。ドーナツブームを牽引する生ドーナツ専門店「I’m donut ?(アイムドーナツ?)京都」(京都市中京区)が、9月13日にオープンした。

販売するのは抹茶や黒胡麻、京野菜などを使った約15種の「京都限定商品」を含む約40種のドーナツほか、全国で初となるドーナツ入り抹茶ソフトクリームが登場。「宇宙空間」をイメージしたステンレスを基調とした店内で、カフェスペースも併設されている。
一方、パン激戦区・京都に挑んだのが、高級チョコ・ゴディバのベーカリー業態「GODIVA Bakery ゴディパン」。「京都四条店」はブランド初の路面店で、観光客や地元の人々が行き交う京の台所「錦市場」が目の前という立地となっている。

店内には本格チョコレート使った多彩なパンが揃い、店内の厨房は、パンを焼くキッチンと低温でチョコレートを扱うパティシエルームに分かれ、フレッシュな状態で提供されるメニューは約20種。ダークチョコバー入り「コロネ」(464円)など、老舗が誇る香り高いチョコやカカオ尽くしのラインアップに。京都らしい和素材の限定品も登場する。

関西初進出について担当者は「歴史・伝統を重んじながら新しいものも取り入れる京都に出店したかった」とコメントした。
■ ルメール騎手の夢が形に…京都に「競馬愛あふれる新店」

京都在住のトップジョッキー、クリストフ・ルメール騎手が創設したファッションブランド「CLbyC. ルメール」の初の旗艦店「CL FASHION & CAFE」(京都市中京区)が、11月6日にオープン。「競馬を、日常に。」をコンセプトに、ファッションとカフェメニュー、競馬の世界観が楽しめる。

第二の故郷と公言する京都の中心部に、「競馬を見たことがない人、競馬場に行ったことがない人にも、ファッションを入口に競馬に親しんでもらえる場をオープンすることができました」と、オープニングレセモニーで満面の笑みを浮かべたルメール騎手。
店舗は2フロア構成となり、2階のブティックにはポロシャツやTシャツ、キャップなど約60種が並ぶ。いずれも数量限定だが、たとえばG1最多勝利馬である「アーモンドアイ」とコラボしたTシャツは220枚限定。この「220」はジャパンカップで歴代最速を叩き出した際のレコードタイム2分20秒6に因んだもの…という、商品の背景のストーリーも楽しめる仕掛けに。

1階のカフェも抜かりなく「競馬」がコンセプトで、カフェの壁にはルメール騎手が「特別な存在」と位置付けるアーモンドアイの迫力満点のモノクロ写真が。いただけるのはドリンクコースとデザートコースで、ドリンクコース(800円)は、カプチーノやポットサービスティーなどから選べるドリンクに、ルメール騎手がセレクトした小菓子と2枚のクッキーが付く。
■ 新しい驚きと懐かしさ──京都で交差した体験型スポット

京都駅近くの閑静な住宅街に突如現われた「巨大な箱」…。無機質にも見えるが、足を踏み入れると一転、万華鏡のような幻想的な世界が広がる新たなスポット「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が誕生した。
なかは光と闇に終始包まれ、50以上の作品が集い、「会場全体がフォトスポット」な異次元空間。京都市が文化芸術の新たなシンボルゾーンとして開発を進める「京都駅東南部エリアプロジェクト」の一環として開業し、京都駅から徒歩圏内ながら延べ面積・約1万平方米の空間となっている。


天井高のデジタル空間に咲き乱れる花々、脈々と流れ出る滝など、自分が自然界の一部になった気分に。スクリーン上に落ちてくる漢字に触れるとアートが現われたり、来場者のタッチで生まれる仕掛けも随所に散りばめられている。
その一方で、1999年に幕を閉じた「比叡山お化け屋敷」が7月27日より、百貨店「大丸京都店」で約1カ月限定で復活した。当時を知る関係者らの手によって復活の準備が進められ、会場には墓地や屋敷を模した通路を設け、本物さながらのお化けが突如現れるなど、かつてと同じような仕掛けを随所に再現。

来場者からは「思ったより怖かった」「懐かしい雰囲気で楽しかった」といった声が寄せられ、8月14日には来場者数1万人を突破するなど、かつてを知る世代には懐かしく、初体験の人には新鮮に映る出来事として話題を集めた。
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