今が絶好のチャンス!関西屈指の「大規模アート祭」を1日で網羅する方法

目の前には絶景…六甲ミーツ・アートの醍醐味!白水ロコ『山の精霊たち』(六甲ガーデンテラスエリア)
関西屈指のハイキング&夜景スポットの神戸・六甲山の各地に、国内外の現代アーティストの作品が展示される、毎年恒例のアート祭「神戸六甲ミーツ・アート」が現在開催中だ。今年は61組の作品が点在、その展示範囲は1km四方に渡るうえ、起伏の大きい地形なので、1日で全エリアを回るには、自家用車じゃなければ不可能と思っていないだろうか?
実は山頂をめぐるバス+徒歩で移動可能なエリアを上手く組み合わせると、1日で全エリア制覇…しかも弾丸ではなく、主催側が目安とする鑑賞時間をほぼ守りながら回ることができるのだ!過ごしやすい気温になりつつある今、各エリアの目安の鑑賞時間も紹介しつつ、そのタイムスケジュールを披露する。
【9:00】六甲ケーブル 六甲山上駅到着

まずはバスの時間まで、須田悦弘『ササユリ、ノブドウ、リンドウ』を探そう。駅のなかの3ヶ所に、六甲の花の彫刻がさり気なく飾られているので、宝探し気分で楽しめる。さらにバス停から神戸の遠景を楽しんだら、9:20発の1系統のバスに乗って「六甲ガーデンテラスエリア」に向かおう。
【9:30】六甲ガーデンテラスエリア到着
KRMAは基本的に午前10時開場だけど、このエリアは一部をのぞいて、午前9時半から鑑賞が可能。特に「見晴らしのテラス」にある白水ロコ『山の精霊たち』は、天気が良ければ万博会場や淡路島まで見渡せる景色も込みで必見だ。鑑賞時間の目安は20分。次のエリアまでは、下りの山道を10分ほど徒歩で移動しよう。
【10:00】みよし観音エリア到着

空の安全を祈る「みよし観音」近くの、かつて茶屋や別荘などがあった林のなかが会場。KRMA公募作品のなかから「奨励賞」に選ばれた、北村拓也『風の彫刻、森の息』など6点が展示されている。鑑賞時間の目安は30分。次のエリアの入口「六甲高山植物園」は、ここから歩いて5分程度だ。
【10:35】ミュージアムエリア到着

「六甲高山植物園」「ROKKO音の音ミュージアム SIKIガーデン」「新池」という隣接する3施設に屋外作品が点在する、KRMA最大のエリア。奈良美智の大型作品『Peace Head』(SIKIガーデン)、今年のKRMAメインビジュアルとなった中村萌『Like Bird』を展示しているミニ展覧会『Silent Journey』(植物園)、公募大賞のグランプリに選ばれた風の環(かぜのわ)『しらす、山に昇る』(植物園)などを、オリエンテーリング気分で見て回ろう。


鑑賞時間の目安は合計140分だが、実はバスのスケジュールの都合上、120分程度で次のエリアに行かねばならない。心持ち早めにめぐって、「高山植物園」バス停から12:43発の3系統のバスに乗車しよう。次のバスは1時間半後なので、乗りそこねないように!
【12:46】風の教会エリア到着

かつて大型ホテルが存在し、2018年に安藤忠雄設計の「風の教会」(通常非公開)を残して更地になった土地には、屋外展示を中心に5作品。そして隣接する高台にある、2022年で閉業した宿泊施設「六甲スカイヴィラ」本館と別館(現六甲山芸術センター)に、17組のアーティストの作品を展示している。
「六甲山芸術センター」は、元ホテルの客室という特性を生かしたインスタレーションが多い。特に堀尾貞治×友井隆之が、1kgのオブジェを1000個(合計1ton)制作した『1ton彫刻までの道程』は、作品が廊下や外壁まで侵食していて圧巻。「六甲スカイヴィラ」跡地では、ロビーや大浴場やラウンジなど、客室以外の場所を効果的に利用した展示を展開している。

ここでの時間の目安は120分。時間的にランチを取りたいところだが、風の教会エリアは飲食店も売店もない。なのでこのスケジュールに従って回ろうと考えている方は、あらかじめ食べ物・飲み物を調達して、折を見てサクッと食べるようにしよう。
【15:20】再びミュージアムエリア→トレイルエリア散策

15:09発の3系統のバスに乗り、5分程度で「高山植物園」停に到着。ここから徒歩で新池に戻ると、山道の入口がある。これがKRMAならではの会場「トレイルエリア」だ。展示のある所まで、いろんな風景が広がる山道を歩いていく。道が荒れている箇所もあるので、くれぐれも歩きやすい靴を履いていこう。新池からだとほぼ下り道なので、比較的楽な道のりだ。

15分ほど歩くと、有料エリア扱いとなる2作品の展示場所に到着。ここからつづく道にも数作品が点在しているが、時間の都合上ここでルートを外れて、次のエリアまで10分ほど歩こう。
【16:15】兵庫県立六甲山ビジターセンター&六甲山サイレンスリゾートエリア到着

ハイカーたちの憩いの場「六甲山ビジターセンター」で2作品を観てから、5分ほど歩いて「六甲山サイレンスリゾート」へ。ここではミケーレ・デ・ルッキの特別展示『パリアイ』など3作品が展示されている。
この辺りの時間の目安は、移動を含めても40分ほど。すぐ次のエリアに向かってもいいけど、山歩きの疲れも出ているはず。幸いこのエリアは飲食店や休憩所が多いので、ラストスパートに向けていったん休息しておきたい。落ち着いたら、「記念碑台」(ビジターセンター付近)バス停から17:40発の1系統のバスに乗って、六甲山上駅に向かおう。
【17:45】天覧台到着

駅に着いたら、すぐ隣の眺望スポット「天覧台」が次の鑑賞エリアだ。KRMAは基本的に午後5時でクローズするが、ここは午後8時45分まで入場可能。しかもこの時間なら、天気が良ければ美しい夕景が望めるだろう。ここで2作品をチェックすれば、アート巡りも終了…と思いきや、もう一度行ってほしい場所がある。駅前から18:15発の1系統のバスに乗って、朝に訪れた六甲ガーデンテラスへ行こう。
【18:25】再び六甲ガーデンテラスエリア到着

こちらにとんぼ返りしてもらったのには理由がある。まず、朝に訪れたときはオープン前だった「オフィシャルアートショップ ホルティ」に行くためだ。ここではお笑いコンビ「天竺鼠」の川原克己の絵画作品(六甲スカイヴィラにも展示あり)や、記念撮影用の「体ハメパネル」が設置されている。さらにKRMAオリジナルグッズや、参加アーティストの関連グッズが充実しているので、ぜひ買い物をしていこう。
そしてこの時間になると、神戸の夜景が映える頃。各施設の展望デッキに行ってもいいし、モダンな展望台「六甲枝垂れ」まで足を運んでもいい(11/24までは午後9時まで営業。入場料大人1000円)。また六甲名物のジンギスカンやフードコートなど、夜景を見ながらディナーができる飲食店もある(いずれも午後8時L.O.)。KRMA限定メニューもあるので、ここで1日の疲れを癒やしていこう。

【20:33】六甲山上駅から帰宅の途へ
六甲ガーデンテラスは、意外と遅くまでバスがある。とはいえあまり遅すぎない20:25発のバスに乗って駅へ戻りたい。10分足らずで到着するので、さまざまなアート作品の余韻に浸りながら、下界へ帰ろう。
■ それでも1日回るのは難しいという人…ポイントを絞るならここだ!
時間がないからお昼からサクッと観るだけにしたいという、ライトに楽しみたい人も多いだろう。あえて場所を絞るなら「ミュージアムエリア」が一番オススメだ。見どころが多いだけでなく、思ったより時間が空いた場合に「みやま観音エリア」や「トレイルエリア」に立ち寄ったり、ミュージアムや植物園併設のレストランでKRMA限定メニューを楽しんだりと、「ほかにすること」の選択肢が充実しているからだ。
一方天候がかんばしくなかったり、あまり歩き回りたくないという人は「風の教会」エリアへ。ほぼ屋内展示の上、岡田裕子『井戸端で、その女たちは』などのように、着席した状態で時間をかけて鑑賞する、映像作品やサウンドインスタレーションが多いからだ。もしそれでも時間があるなら、いったん六甲山上駅に戻り、徒歩6分の所にある「六甲山地域福祉センター」へ向かおう。
ここでは1日コースから外れてしまった、乾久子による『くじびきドローイング』という、参加型の作品がある。まず、以前の参加者たちが残したお題が書かれたくじを引き、そのお題に沿った絵を描く。描き終わったら、タイトルを刻んだテプラを貼り付けて好きな場所に展示。そして好きなお題をくじに書いて、くじ引き箱に投入したら完了だ。

お題は簡単なものから「自分が主人公の映画」「革命前夜に聞いた音」など、画力より想像力や発想力を試されるものも。自由な発想で絵を描く時間も楽しいし、他人が描いた絵を観るのも楽しい。さらに自分が残したお題を、知らない誰かがどんな絵にするのかワクワクするという、余韻まで残す体験だ。
そして言うまでもないけれど、ここで紹介したモデルコースはあくまでも一例。自分の好きなエリアだけをチョイスするのもありだし、無料エリアだけを集中して回るのもよし。週末はミュージアムエリアが午後8時まで時間延長するので、さらに余裕が生まれるだろう。自然とアートを一度に楽しめる一日を、好きなスタイルで過ごしてみて。
「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond(KRMA)」は、11月30日まで開催。時間は午前10時~午後5時(エリアによって異なる)で、一部の展示は無料で鑑賞できる。全エリアで使える鑑賞パスポートは、時間帯によって大人1900円~4000円、子ども950円~1700円。WEBで申し込むと割引が適応される。
取材・文・写真/吉永美和子
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