昨年誕生…大阪の人気劇場「SkyシアターMBS」で貴重なツアー

11時間前

スポットライト体験では、記念撮影に並ぶ列ができた(撮影:Lmaga.jp)

(写真10枚)

JR大阪駅横の「JPタワー大阪」(大阪市北区)内に昨年オープンした劇場「SkyシアターMBS」。すでに「NODA・MAP」「劇団☆新感線」などの注目の舞台が数多く上演され、大阪の人気劇場の一つとなっている。そんな同劇場が、般観客に劇場の仕事や舞台裏を紹介する「バックステージツアー」を7月に開催。2日間で500人近い人たちが参加したツアーに密着した。

■ 有料ながら早々に完売、約1時間でじっくり楽しむ

楽屋の着到板で自分の名前を確認する見学者たち(撮影:Lmaga.jp)
楽屋の着到板で自分の名前を確認する見学者たち(撮影:Lmaga.jp)

1日4回、各60名が定員のツアーは、有料(1000円)ながらも早い段階で完売。参加者たちには入場パスや記念品と一緒に、事前に募集されていた劇場への質問のなかから、特に問い合わせの多かった質問への回答シートが配布された。「見やすい座席の秘密は?」「スタッフの制服はどうやって決めたの?」などの丁寧な回答から、すでにおもてなしの心が感じられる。

時間になると、村田元 劇場支配人が、客席に座った参加者たちに前説をおこなった。まずは「公演をやってない時の劇場はどうなっているの?」という問いに応え、すべての幕を上げて、完全に素の状態の舞台を公開。さらに劇場の技術チーフ・小島聡太さんも加わって、照明、スモーク、音響など、舞台を盛り上げるために欠かせない劇場機構について簡単に解説していた。

前説をする村田元 劇場支配人(撮影:Lmaga.jp)
前説をする村田元 劇場支配人(撮影:Lmaga.jp)

つづいては、通常は一般観客が立ち入れない舞台裏へ。楽屋に行くと「着到板」と呼ばれるタイムカード的な札に、あらかじめ伝えていたツアー参加者の名前が記されている。さらに各楽屋の入口に貼るための、表札代わりのプリントも配られていたので、各々が好きな楽屋の入口に自分の名前を掲げて、記念撮影を楽しんでいた。

着到板。自分の名前の札をひっくり返して、劇場入りを知らせる(撮影:Lmaga.jp)
着到板。自分の名前の札をひっくり返して、劇場入りを知らせる(撮影:Lmaga.jp)
楽屋の入口に名前を貼って、役者気分を味わう(撮影:Lmaga.jp)
楽屋の入口に名前を貼って、役者気分を味わう(撮影:Lmaga.jp)

そのあとは2階席を見学したり、音響スタッフや照明スタッフの話を聞いたうえで、実際にその操作を体験できる時間も。刀を抜く音やヘリコプターの音などが響いたり、舞台の上や劇場全体の照明が変わるたびに、小さな歓声があがる。なかには劇場の音の響き方について、個別でスタッフに質問をする熱心な参加者も。

音の出し方や光の調整について説明するスタッフたち(撮影:Lmaga.jp)
音の出し方や光の調整について説明するスタッフたち(撮影:Lmaga.jp)
客席からは見えないけど、舞台の天井はこんなに高い(撮影:Lmaga.jp)
客席からは見えないけど、舞台の天井はこんなに高い(撮影:Lmaga.jp)

約1時間ほどのツアーが一段落すると、参加者全員が舞台に上げられる。そこでなんと俳優の気分を体験してもらうために、暗転とカーテンコールを実際に行うというサプライズが!まずは劇場全体を真っ暗にする暗転を、5秒ほど実施。つづけて、一度緞帳を下げたあと、拍手の音とともに再び緞帳を上げ、舞台上にまぶしいほどの照明を当てるという、カーテンコールを再現。参加者もスタッフにうながされるままお辞儀をして、ひと時の俳優気分を味わった。

カーテンコール体験をする見学者たち(撮影:Lmaga.jp)
カーテンコール体験をする見学者たち(撮影:Lmaga.jp)

■ 「思った以上に舞台から客席がよく見えて…」

中学生の子どもとともに、大阪市から参加したという女性は「普段から宝塚などの舞台をよく観ているのですが、舞台に立っている役者から、お客様はどのように見えているんだろう?というのに興味を持ちました」と参加の動機を語り、実際に体験して「思った以上に舞台から客席がよく見えることに驚いたし、楽屋を見学できたのも良かったです。また参加したいし、次はほかの舞台機構の体験もできたらと思います」と満足げに語った。

舞台上の照明の色を変える操作を体験(撮影:Lmaga.jp)
舞台上の照明の色を変える操作を体験(撮影:Lmaga.jp)

村田支配人も「私たちが毎日見ている楽屋の貼り紙一つ取っても、お客様には知らない世界。『ここをおもしろいと思うんだ』という、生のリアクションを見ることができたのが嬉しかったし、背筋が伸びました」と安堵の表情を見せ、「まだ見ていただけてない場所もあるので、タイミングが合えばまた実施したい。小島さんとの解説がちょっと漫才みたいになっていたので(笑)、次やるときは精度を上げたいです」と意気込んだ。

舞台の奥の壁にもこんな照明の装置が(撮影:Lmaga.jp)
舞台の奥の壁にもこんな照明の装置が(撮影:Lmaga.jp)

このバックステージツアーの様子や、劇場のQ&Aについては、7月14日のラジオ番組「空飛ぶ劇団ラヂオ」(MBSラジオ・21時45分~22時)で、村田支配人が語る予定。

取材・文・写真/吉永美和子

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本