難波千日前の魔窟「味園ユニバース」に魑魅魍魎…熱狂の一夜

ONI&SUPERFUNCY(6月20日「味園ユニバース」撮影:Lmaga.jp編集部)
2025年7月5日、難波・千日前のランドマーク的存在「味園ビル」から、おなじみの光るネオンが消えた。2024年末で閉鎖になった同ビル2階の飲食フロアに続き、地下のライブホール「ユニバース」も惜しまれつつ、完全閉店を迎えた。
◆ 人のみならず、鬼、骸骨、龍、宇宙人、みんな輪になって『炭鉱節』
混沌とした大阪を煮詰めたような「魔窟」とも言われる同ビルの命がまもなく終わろうという6月20日、人のみならず、鬼、骸骨、龍、宇宙人などが「ユニバース」に続々集まった。何度もこの場所を訪れている筆者も足を踏み入れた瞬間から「ド派手!」と驚いたほど、スーパーカオスな音楽イベント『ONI音祭』の一夜を、写真と出演者のアフタートークとともに振り返る。

◆ ONIが全国から「クセ強」アーティストを味園に召喚
このイベントは、過去「ユニバース」に多数出演し、この場所を愛する女性ロックデュオ・あふりらんぽの活動でも知られるONIが「難波のシンボル『味園』のラストにふさわしい、最高に楽しい祭りを作る!」と主催。イベンターなども入れず、仲間たちと協力して「完全に手作りのイベントだった」と話す。

ユニバースの代名詞である、ステージの蛍光管のカラフルさのみならず、会場内に施された派手な装飾、主演者や来場者のファッションなど、「この世のすべての色彩が今夜このユニバースに集まっている?」と思えるくらい、一夜限りの極楽のような、地獄のような、とにかくド派手空間に変身。

そこで繰り広げられたのは、メインステージの音楽ライブはもちろん、次々登場するDJ、パフォーマー、傀儡師など、全国各地から集結した「クセ強」なアーティストたちのパフォーマンスだ。

メインステージにはまず、愛知からきたPLUTATA+GIANTSTEPS+石丸だいこが登場。音楽にあわせ、骸骨や、鬼など、フロアに傀儡が次々に登場し、非日常感、お祭り感が急上昇する。


次に登場したのは、群馬を拠点に活動する森とチョモの2人組ユニット・どんぐりず。森が「はちゃめちゃになる準備はできてるかー?」と観客を煽って、ユニバースは一気にダンスフロア状態に。


続いて主催のONIが、平均年齢13歳のバンド・ZαSAVAGEからDr.虎成、Ba.龍成、Gt.タツルと、ジャンベ龍成、Sax.森本啓太郎、Cho.あまね、さらにセネガル人のジャンベプレイヤーのカリムらとONI&SUPERFUNCYとして登場。さらに個性豊かなパフォーマーたちも続々ステージに。途中、仲間への感謝や味園への愛を語りながら、涙のパフォーマンスとなった。


客席から登場したのは、「大阪の至宝」13人組編成のバンド・赤犬からタカ・タカアキ & ナイトサバーズと、笑って踊ってエクササイズなマスクドサチ。客席でパフォーマンスを繰り広げながら、マスクドサチをエスコートしステージへ。赤犬のステージとも異なる独特の世界観で、観客と一緒に体を動かし、会場を盛り上げた。


最後に登場したのは、東京・福生から日本民謡とワールドミュージックのリズムを融合し、今に再生させ、日本のみならず、海外からの評価も高いバンド「民謡クルセイダーズ/MINYOCRUSADERS」(以下:民クル)。『虎女さま』など「ユニバース」の世界観にぴったりなアッパーな民謡×ラテンサウンドに、観客もノリノリに。


途中、ラッパーのあっこゴリラが福島民謡『会津磐梯山』でステージに躍り出て民クルと初コラボ。続いて、どんぐりずやもステージに登場し、ヒップホップ×民謡×ラテン音楽という夢のような全部乗せ展開に会場はさらに盛り上がりをみせた。


最後は、民クルの竹の子みどりのレクチャーで、観客も巻き込んで『炭坑節』を踊ることに。多くの人が、ユニバースのフロアを踊りながらぐるぐる回り、この場所との別れを惜しんだ。

◆ユニバースでの祭は、 お客さんも個性派ぞろい!おとなも子どももフリーダム
お酒と音楽を楽しむ大人たち、一発芸ステージをとんでもない至近距離で楽しむ子どもたち・・・この日が「最後の味園ユニバース」となる人も多かったようで、それぞれ思い思いに楽しい時間を過ごしていた。




◆ ユニバースでの過去ベスト!?盛り上がりすぎて、終演後自ら『蛍の光』歌い客出し
カオスな祭りを終えて、主催のONIと、「一番味園で観たいバンド」とイベントへの出演をONIが熱望した民謡クルセイダーズのリーダー・田中克海、ふたりのアフタートークをお届けする。

──『ONI音祭』は強烈な一夜となりましたね。
ONI:ちょうど『ONI音祭』終わって一週間(6月29日)なんだけど、翌日だけじゃなくて、今もずっといろんな人が「めちゃくちゃ良かった、最高やった」って感想を送り続けてくれる。こんなに反響が大きいのははじめてかも。
──具体的には、どんな感想が?
ONI:病気と闘う友人が、会場にこれるかどうかっていう状況で頑張ってきてくれて。「活力に触れて、生まれて初めて、もっと生きたいと思った」って言ってくれて、本当やってよかったなと。お祭りって、もともとそういうためのモン。自分のできることを思いっきり爆発させたら、自分に対しても、人に対しても愛になるっていうことを、思った。
仲間に支えてもらってなんとか最後までやりきった手作りイベントだったけど、過去ユニバースでたくさんのイベントを見てきたスタッフが「過去ベストだった」って。終演後『蛍の光』自分で歌って客出ししたけど、盛り上がりすぎて、みんな全然帰ってくれないっていう事態に…。

田中克海:そうね、「味園最後だし」って言って、東京や名古屋とか、遠くからもたくさんの人が観に来てくれたけど、「大阪って、いつもこんな感じなの?味園って、こんななの?」って、みんな本当にびっくりしてた。そりゃ驚くよ。最初から最後まで面白い人が次々出てきて、めちゃくちゃに盛り上がったもんね。葉っぱつけてステージ走ってる人とかさ(笑)。
ONI:そうそう、ユニバースのバーカウンターのスタッフも「ライブ中もお酒がアホほど出て、ライブも全く観る余裕なかった」って言ってた。出店してた友人のアーティストも、帽子が2万円とかするから、なかなかイベントでは売れないのに、今回は帽子めちゃくちゃ売れたって。
田中克海:そうなんだ!? うちらのライブ後の物販も、すごいたくさんのお客さん並んでくれて音源とか買ってくれて。いいライブして、イベントが盛り上がれば、お客さんも財布の紐がゆるんじゃうよね。それくらいみんなのテンションが上がってた。

──楽しすぎて、お客さんも気持ちよくお金使いたい!って思ってくれたんでしょうね。
田中克海:うちのメンバーもテンション高かった。竹ノ子みどりちゃん(ボーカル)、客席の飛び地のステージに一人立って『炭坑節』踊って、気持ち良かったみたいよ。もともと度胸があるから、普段とは違う形で、ポテンシャルがユニバースで爆発してた。フレディさん(ボーカル)もはじめ、ゲストとコラボの時、一回ステージ袖引っ込むとか言ってたけど、本番は一緒にステージで「ポウポウ」言ってたもん。そんなことやるタイプじゃないのに。
ONI:無理やりだったけどね!次はフレディさんの本気「ぽ~~~~~~~~」が聴きたいな。
田中克海:それいいね!今回のコラボは、うちの大沢広一郎(サックス)が、素晴らしいアレンジ全部用意してくれて・・・とにかく大変だったみたいだけど、コラボレーションで生まれる、変な化学反応が本当に楽しかったね。
──せっかくのアレンジ、またどこかで披露してほしいです。
ONI:「ユニバース」なくなってしまうから、こんな祭り実現できる場所、どこかあるんかな?今回みたいに、老若男女みんな混ぜこぜで、なんでもない自分になるっていうイベントができるところ、探したいね。
田中克海:うん、またどこかで一緒にやりたい。最後のユニバースで、ステージと客席、垣根がないっていうのをやれてたんじゃない?普通にお金払って観る・・・とかじゃない、音楽でアーティストと観客の境界線が完全になくなるライブっていうのを、実現したいね。
◇
【ONI、民謡クルセイダーズ 出演情報】
「MASHUP FESTIVAL kobe」
出演日:10月5日
会場:神戸メリケンパーク含むベイエリア一帯
取材・文・写真(一部)/Lmaga.jp編集部

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