令和のホテル戦争、どう差別化?関西唯一の「さくらんぼ」ヌン活

10時間前

29階「THE LOBBY LOUNGE」からは、大阪市街の夜景が一望

(写真9枚)

『大阪・関西万博』に合わせて、新しいホテルが次々と開業する大阪。直近1カ月だけでも「ウォルドーフ・アストリア大阪」(大阪市北区)や「パティーナ大阪」(大阪市中央区)などの外資系ホテルが開業し、「令和のホテル戦争」ともいえる。

■ ホテルの工夫の象徴=「アフタヌーンティー」

宿泊機会の少ない地元関西人にとって、ホテルの特色の違いをもっとも感じられるのは「食事」。特に、2022年の新語・流行語大賞に「ヌン活」がノミネートされて以降、アフタヌーンティーの競争は過熱。食材へのこだわりや、季節ごとに変えるテーマによって、各ホテルの工夫を象徴する存在だ。

お隣の「THE-MOMENT GRILL&DINING」のビュッフェで提供される、青果商が厳選したフルーツたち

そんななか、2024年の開業以来、SNSで「食材のこだわりがすごい!」と絶賛されるのが「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection(以下、大阪ステーションホテル)」(大阪市北区)。

大阪市内でアフタヌーンティーを提供するホテル35件の平均価格が6786円(Lmaga.jp調べ)のなか、同ホテルは大阪最高級となる「1万円」!5月1日からは、関西で唯一となる「さくらんぼ」が主役のアフタヌーンティーがスタートした。

■ 良い食材 VS パティシエの「天下一武道会」

アフタヌーンティーが提供される29階「THE LOBBY LOUNGE」

「旬の果物を、一番おいしい時期に直球で出す」をモットーに届ける、同ホテルのアフタヌーンティー。果物の旬のおいしさを最大限に引き出すため、メニューは約1カ月〜1カ月半ごとに変わり、上質な果物に徹底的にこだわる。

その背景には、3人のプロフェッショナルの存在があり、おいしい果物を求めて国内外を飛び回る青果商と、エグゼクティブペストリーシェフ・吉田修氏、セイボリー担当の料理長・塩貝龍太氏が、毎回食材を厳選する。

しかし、良い食材を使うと、生で食べるのが一番おいしいというジレンマに陥ってしまう。生食を超えるべく、「食材とパティシエの天下一武道会」と広報担当者が話すほど、高い調理技術が求められるという。

さくらんぼがふんだんに使われた「Afternoon Tea "VOYAGE" La saison des cerises」5月1日〜31日
さくらんぼがふんだんに使われた「Afternoon Tea “VOYAGE” La saison des cerises」5月1日〜31日

そんなプロフェッショナルたちが「勘弁してほしい」と口を揃えたのが、今回の主役「さくらんぼ」。旬が短い上に、誤飲防止のため一粒ずつ種を取らなければならず、膨大な手間がかかるからだ。

広報担当者は「見た目の可愛さと、お客さまが求めるものを追求しました。私たちはフルーツオタクじゃないですか!とことん旬を追求しましょう!とパティシエを説得しました」と、実現に至った経緯を語る。主に山形県から届く国産さくらんぼを、そのとき、一番おいしい品種を厳選しながら提供していく。

■ 「贈答品」レベルのさくらんぼに、現品サイズのパフェ…

円形スタンドに並ぶスイーツ&セイボリーに加え、パフェ、ミンチカツサンドとボリューム満点
円形スタンドに並ぶスイーツ&セイボリーに加え、パフェ、ミンチカツサンドとボリューム満点

「お値段の分、お腹いっぱい食べて帰ってほしい」と、広報担当者が話すアフタヌーンティーは、ボリューム満点。ウェルカムドリンク、円形のスタンドに並ぶスイーツ、ミンチカツサンドなどのセイボリーに加え、パフェ、昼はスコーン、夜はワインやビールなどのアルコールを含む、飲み放題が付いてくる。

厚なチェリーシロップを、大阪のご当地サイダー「三扇ビリケンサイダー」で割ったウェルカムドリンク「Cherry Wind」は、グラスの上に飾られた綿菓子に、目の前で追いシロップをかけて提供される
濃厚なチェリーシロップを、大阪のご当地サイダー「三扇ビリケンサイダー」で割ったウェルカムドリンク「Cherry Wind」は、グラスの上に飾られた綿菓子に、目の前で追いシロップをかけて提供される

アフタヌーンティーに使用されているさくらんぼは、色・大きさ・ハリが「贈答品」のクオリティ・・・!それが、目に見えるだけでも約20粒はあるので、ジュレやムースのなかに含まれるものも考えると、相当数が使用されていることが伺える。

さくらんぼがグラスの縁に並ぶパフェは、さくらんぼとキルシュのジュレ、ピスタチオクリーム、スポンジケーキ、バニラアイスが層になっている
さくらんぼがグラスの縁に並ぶパフェは、さくらんぼとキルシュのジュレ、ピスタチオクリーム、スポンジケーキ、バニラアイスが層になっている

ウェルカムドリンクで乾杯した後は、思わず歓声が漏れ出るほどの大きさのパフェが登場。驚くことにこちら、同店で提供されている「季節のフルーツパフェ」(3500円〜)と同等サイズという。

グラスには、さくらんぼ約11粒が、中央のバニラアイスをぐるりと囲む。別添えの温かいソースをかければ、溶けたアイスとスポンジケーキやピスタチオクリーム、さくらんぼの洋酒「キルシュ」が効いたジュレが一体となって、大人な味わいが口に広がる。

写真上段左から、さくらんぼのパリブレスト、ぷるんとさくらんぼジュレ。中段左から、さくらんぼをのせたカヌレ、フォレノワール、さくらんぼのムース
写真上段左から、さくらんぼのパリブレスト、ぷるんとさくらんぼジュレ。中段左から、さくらんぼをのせたカヌレ、フォレノワール、さくらんぼのムース

さくらんぼがちょこんと乗ったスイーツは、夜は5種類、昼は7種類が円形スタンドに並ぶ。さくらんぼを模ったムースや、バニラクリームとチョコレートの調和が楽しめる「フォレノワール」、さくらんぼたっぷりの透け感が美しいジュレなど、小さいサイズに繊細に作り込まれている。

肉の旨みを感じられるミンチカツサンドは、ミニサイズとは思えないほどの大きさ
肉の旨みを感じられるミンチカツサンドは、ミニサイズとは思えないほどの大きさ

そのほか、ボリューム満点のミンチカツサンドも登場。夜はワインなどのお酒に合わせて、昼よりもセイボリーを多めに用意している。昼も楽しめる「蕪とホタルイカのサラダ」などに加え、さくらんぼを鴨や生ハム、カプレーゼと合わせたアペタイザーもいただける。

「大阪ステーションホテル」のアフタヌーンティーは、29階「THE LOBBY LOUNGE」で、5月1日〜31日まで提供。昼は12時〜14時30分/15時〜17時30分の二部制、夜は19時〜21時30分で、料金は昼1万円、夜1万2000円。6月1日からは「マンゴー」が主役のアフタヌーンティーを予定する。

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