狐に新様…と久々の顔ラッシュ、唐丸の消息も?【べらぼう】

15時間前

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。耕書堂の店先で、スマホで自撮りする九郎助稲荷(綾瀬はるか)(C)NHK

(写真6枚)

横浜流星主演で、数多くの浮世絵や小説を世に送り出したメディア王・蔦屋重三郎の、波乱万丈の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。5月4日の第17回「乱れ咲き往来の桜」では、重三郎が新ジャンル「往来物」でまたしてもスマッシュヒットを飛ばすことに。それと並行して、九郎助稲荷や小田新之助の久々の登場にもSNSが湧いていた。

■ 「往来物」の出版をひらめく重三郎…第17回あらすじ

新刊を一挙に10冊出したことで、重三郎の「耕書堂」は一躍注目の本屋となったが、その分、鶴屋喜右衛門(風間俊介)などの同業者たちから妨害を受けるようになった。重三郎は、女郎・うつせみ(小野花梨)と駆け落ちしたあと、百姓になった小田新之助(井之脇海)と再会し、その会話から「往来物」の出版をひらめく。さっそく吉原に出入りする地方の庄屋や豪商たちから聞き取りをして、彼らの助言を取り入れた数種類の往来物を発売した。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。重三郎が出版する「往来物」について話す地本問屋の主人たち。写真左から、鶴屋(風間俊介)、西村屋(西村まさ彦)(C)NHK

彼らはこれらの本を「自分が作った本」として大量に買い上げ、周囲の仲間たちに配るようになり、重三郎の往来物はたちまち地方に広がった。その影響はやがて江戸市中にも及び、ほかの本屋を脅かすようになっていく。一方その頃、「北川豊章」という絵師が、様々な人気絵師の画風を真似た作品を発表しているのを見て、重三郎はかつて相棒だった少年・唐丸(渡邉斗翔)に話した、絵師を売り込む戦略を思い出すのだった・・・。

■ 狐&新之助が再登場!盛り上がるSNS

新作芝居のなかで、自分をモデルにした人物を登場させるなどして、重三郎は気鋭の板元として江戸中の注目を浴び始めた・・・というところから始まった『べらぼう』第二章。冒頭ではナレーションの綾瀬はるかが、第1回以来久々に九郎助稲荷が化けた姿として登場。町娘となって「耕書堂」の繁盛ぶりをSNSでレポートしたり、武士の姿で田沼意次(渡辺謙)に付き添ったりと、まさに七変化の活躍ぶりで新章に華を添えてくれた。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。町娘や武士に化けた姿で、物語を説明する九郎助稲荷(綾瀬はるか)(C)NHK

これにはSNSも「ぎゃーん、きゃわいい」「花魁の次は町娘、お次はお侍と九郎助稲荷ちゃんのコスプレ大劇場じゃないのさ! いいぞもっとやってください」「『混んでた』を『コンでた』ってダジャレ言ってんの可愛すぎるw」「ちょんまげも似合う九郎助稲荷さま」「一緒にひれ伏してる時も微妙に尻尾が動いてるの細かい」「尻尾は隠さないしスマホは取り出すしで相変わらずフリーダムだなこの狐w」などの喜びとツッコミの声で満載になった。

さらにSNSが盛り上がったのは、かつて平賀源内(安田顕)の下で働き、うつせみの足抜けを成功させた「新さん」こと小田新之助の再登場!「足抜けした女郎は幸せになれない」と周囲に言われたのに反して、百姓が常に人手不足で、戸籍のことなど深く追求しないという抜け穴を上手く利用した。うつせみ改めふくも幸せに暮らしていることが語られると、多くの安堵と祝福の声が上がった。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。久しぶりに吉原を訪れた新之助(井之脇海)(C)NHK

「新さん!! 元気だった!!」「新さんがまっとうに働いててよかった。男は博打、女は夜鷹! じゃなくて何より」「新さんとふくのハッピーエンドに勝利宣言をする茶の間」などのコメントがありつつも、「せっかく駆け落ち成功したんだから逃げとけよ・・・脚本森下佳子だぞ・・・」と、まだまだ心配が尽きないというような声も。たしかにこのあとは、百姓たちに打撃を与える様々な天災が待ち受けているはずなので、2人には無事に乗り切ってほしい。

■ 「これが俺の作った本」同人界隈が共感の声

ここからさらに視聴者をワクワクさせたのは、重三郎が新之助から、百姓にも「往来物」の需要があるけどなかなか流通しないというのを聞きつけて、新しい商売&商法に乗り出すことをひらめくという流れ。重三郎は地方の豪商&豪農に本のアドバイスを求め、地元で「自分が作った本」を拡散してもらうというシステムを生み出したわけだが、関わった人たちが「自分の本」の出来上がりに顔を輝かせる姿は、毎度のことながら出版に携わる人たちには「完全に俺たち」に見えた模様。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。「往来物」の制作に協力した、地方の豪商たち(C)NHK

SNSでも「『これが俺の作った本』このセリフ、入稿した原稿が同人誌になって家に届いた時にいつも思ってることだ」「本にしても論文にしても自分の名前があると嬉しいのよ」「そうだよな。自分が作った同人誌はすぐ即売会で出したいしそれを都内だけでなく地方のイベントで売るってなったら地方のファンもつくもんな」「本製作の沼に引きずりこむ主人公」などの共感の声があふれた。

■ 「唐丸=歌麿」で確定…?今後の謎解きに期待

本作りの喜びを知った人々も、これによって地方の販路を開拓した重三郎もウィンウィンで大団円・・・で第17回が締めくくられるかと思いきや、重三郎が「北川豊章」という絵師を知るという展開が。のちに重三郎の重要なパートナーとなる喜多川歌麿が、この名前を名乗っていた時期があることはすでに知られているが、問題は彼が北尾重政(橋本淳)や礒田湖龍斎(鉄拳)などの人気絵師の画風を、巧みに真似た作品を発表していたことだ。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第17回より、回想シーンにて。唐丸(写真右、渡邉斗翔)に絵師としての売り出し方を語る重三郎(写真左、横浜流星)(C)NHK

これは、かつて重三郎と行動をともにした謎の少年・唐丸に、類まれなる絵の才能があることを知った重三郎が唐丸に語った、「絵師・唐丸」の世間への売り出し方のアイディアとまったく一緒だった。そのためSNSでは早くも「お、お、唐丸の記憶と重なってきた!!!」「唐丸は(喜多川歌麿役の)染谷将太なのか?!」「今にして思えば唐丸が蔦重と美人画について語る場面がヒントになっていたんだな」と、唐丸=歌麿で確定するような声が多数聞かれた。

SNSを見る限りは、すでに喜多川歌麿は唐丸と決まったような空気となっているけれど、もしそうだとしても「唐丸があの怪しい武士に脅迫されていたのはなんだったのか?」とか「幼い頃から鳥山石燕(片岡鶴太郎)の元で絵を学んでいたという来歴は?」などの謎はいろいろ残っている。今後は重三郎と歌麿がタッグを組んで、浮世絵の世界に革命を起こしていくサクセスストーリーだけでなく、この辺りの謎解きも同時に楽しむことができそうだ。

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。5月11日の第18回「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」では、重三郎が捨吉と名乗る青年(染谷将太)と出会うところと、朋誠堂喜三二(尾美としのり)に思わぬ事態がふりかかるところが描かれる。

文/吉永美和子

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