宿泊費の高騰で…!? 大阪のライブハウスが無料の宿泊企画

6時間前

2階フロアに並ぶチェアーベッド。同じく住之江区のアウトドアメーカー「LOGOS」の協力で提供された

(写真5枚)

宿泊料金が高騰している昨今、遠方のイベントやコンサートに行く際はホテルを抑えるのも一苦労。そんな状況を受け、ライブハウス「ゴリラホール オオサカ」(大阪市住之江区)ではGW中に開催されるライブに合わせ、観客がそのまま宿泊できる企画がおこなわれた。

2階フロアを「素泊まりエリア」として無料開放

2023年1月、「遊べるライブハウス」をコンセプトに複合型アミューズメント施設「スポーツビレッジスミノエ」内にオープンした同施設(愛称:ゴリホ)。今回、5月4日・5日におこなわれたロックバンド・coldrain主催のライブ『LOUD or NOTHING』に合わせ、2階フロアを素泊まりエリアとして無料で開放する企画「ゴリホに泊まろう!」を実施した。

観光客増加や万博開催のため宿泊料金が高騰しているのにくわえ、GW真っ只中に開催される同公演。今回の企画は、遠方より参加するファンが宿泊施設を抑えにくいという状況を受け、運営会社「In the village」の代表・中村俊也さんの「この機会だからこそできることを」という思いから生まれた。公演日程が2日間で翌日の準備をするのに比較的余裕があること、さらにcoldrain側の快諾も得られたことから実現した。

今回の企画を発案した運営会社の代表・中村俊也さん
今回の企画を発案した運営会社の代表・中村俊也さん

■「ゴリラホールなら住める」の声も開催きっかけ

つい数時間まで熱いライブがおこなわれていたライブハウスに泊まる・・・。バンド好きからすると夢のようなシチュエーションだが、一体どんな空気感なのか。

大阪市住之江区にあるライブハウス「ゴリラホール オオサカ」
大阪市住之江区にあるライブハウス「ゴリラホール オオサカ」

参加者は4日の23時半から始まるチェックインを済ませ、2階のラウンジエリアで宿泊した後、翌日朝9時までにチェックアウトを済ませるという流れとなっている。ホテルさながらのシステムだが、場所が場所だけに想像がつかない。

そこで4日夜のチェックインが始まる直前にお邪魔したところ、たしかに2階のラウンジエリアには参加者を受け入れるべくチェアーベッドが男性・女性エリアに分かれてずらりと並んでおり、見慣れない光景に圧倒される。

必要最小限の設備だが、エリアを男女別に分けるといった配慮も
必要最小限の設備だが、エリアを男女別に分けるといった配慮も

もともと、同施設の2階フロアはトイレや喫煙室、飲食可能な「チルアウトスペース」まで備えたゆとりある空間が特徴的だ。以前から「居心地がいい」「住めるレベル」という声も上がるほどの快適さで、中村さんいわくそんな声も開催のきっかけだったという。

同企画には応募期間が4月29日~5月1日と短期間かつ、公演のチケットを持っている人という限られた条件にもかかわらず40名の応募があった。あくまでライブハウスということで寝具や必要な設備は各々用意することになるが、それでもこの応募者数は「ライブハウスに泊まりたい」というニーズの高さがうかがえる。

宿泊エリアからは、1階フロアを見下ろすことができる。人が一切いないフロアはなかなか見られない光景
宿泊エリアからは、1階フロアを見下ろすことができる。人が一切いないフロアはなかなか見られない光景

中村さんは「お客さんからすれば、ライブが終わった空間で過ごせるっていうのが良さなのかなと。だから(イベント名やバンド名が表示される)電光掲示板もそのまま残しています。その方がテンション上がるかなって」と、こだわりポイントを教えてくれた。

さらに「主役はあくまでステージに立つアーティストさんやバンドマンさん」と前置きしつつ、「どうしても大阪となるとなんばや梅田で完結してしまいがちで、住之江となると遠いと思われてしまうことも。そこを克服しつつ、自分たちでも発信し愛着を持ってもらえればと思います」と、今後も独自の取り組みをおこなっていくことを明かした。

取材・文・写真/つちだ四郎

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