大阪・京都・兵庫・奈良まで…2025GW、関西の展覧会10選

2025.5.3 09:00

関西ではさまざまなアート展が開催中!

(写真21枚)

2025年のGWは、平日を挟む「飛び石連休」。現在、関西で開催中のさまざまなアート展のなかから、いま必見の展覧会を10個ピックアップ。大阪で16年ぶりの安藤忠雄展、京都で大型作品多数の究極のモネ展や20年ぶりの草間彌生展、初日から長蛇の列をつくった奈良の国宝展・・・と盛りだくさん!

■ 3mのキャラが圧巻のお出迎え!?
  人気作を手がけるゲームメーカーの大規模展示【大阪/中之島美術館】

設定画像などの開発資料が充実の「キャラクター」展示(C)CAPCOM

1983年の創業以来、国内外で数多くのヒット作を開発してきた「カプコン」。同展では、原画や資料だけでなく、最新デジタル技術を通してゲーム誕生の壮大なプロセスや創意工夫、開発の裏側に迫る。歴史、テクノロジーの進化、ファンタジーとリアリティ、ゲーム作り体験の4エリアで構成され、この展示会のためにイチから作ったものも多い。

入口では約3mのキャラたちが行進する映像『キャラクターパレード』がお出迎え (C)CAPCOM
入口では約3mのキャラたちが行進する映像『キャラクターパレード』がお出迎え (C)CAPCOM

場所:大阪中之島美術館
期間:〜6月22日
料金:一般3000円ほか、繁忙期(土日祝・4月28日~5月6日)の入場には、日時指定券が必要

■ シビれる…ドイツの巨匠、京都で32年ぶり!
  日本独自の美術展が二条城で開幕【京都/元離宮二条城】

手前から《マアト=マニ》(2018ー24)、《スルムス・コルダ[心を高めよ]》(2018ー24)、《ボソン開放弦》(2023)

戦後ドイツ最大の芸術家と称される、現代美術の巨匠・アンゼルム・キーファーによるアジア最大規模の展示が、世界遺産「元離宮二条城」で開幕。アンゼルム・キーファーは歴史・神話・文学・哲学・科学・天文学などを探求し、反戦への思いが作品に込められていることでも有名で、日本のこの場所だからこその油彩画・インスタレーション33点を展示。

二条城のために制作された《モーゲンソー計画》
二条城のために制作された《モーゲンソー計画》

場所:元離宮二条城
期間:〜6月22日
料金:一般2200円(別途入城料800円)ほか

■ 初日から長蛇の列ができた!
  色んな意味でスゴい「超 国宝展」【奈良/奈良国立博物館】

国宝 観音菩薩立像(百済観音)飛鳥時代(7世紀) 奈良 法隆寺 通期展示

開館130年記念特別展。日本で2番目に古い国立博物館である同館は、長年、仏都奈良に根差し、「仏教美術研究センター」としての役割を担ってきた。その力を十二分に発揮して仏教・神道美術に特化した超充実の内容に!(国宝112件、重文16件の計143件)誰もが一度は教科書などで目にしたことがある国宝中の国宝が多いく揃う。

八雷神面 室町~江戸時代(16~17世紀)奈良・元興寺 通期展示 国宝ではないが、8つの顔を持つ異形のお面で雨乞いや厄除けで信仰を集めた。奈良博覧会に出陳された奈良博誕生ゆかりの品のひとつ

場所:奈良国立博物館
期間:〜6月15日
料金:一般2200円ほか

■「焼き土下座」などフォトスポットも充実!
 ギャンブル漫画の金字塔の世界を体感[大阪/大阪南港ATCギャラリー]

向き合うカイジと一条。原作のバチバチとした雰囲気を間近で

1996年に「週刊ヤングマガジン」で連載開始され、単行本のシリーズ累計発行部数は3000万部を超えるカイジシリーズ。原作を読んだ人なら突き刺さるフレーズやシチュエーションが多数揃い、貴重な原画や書き下ろしイラストをはじめ、キャラクターやギャンブルの解説や名シーンを抜き出した迫力のパネル、「焼き土下座」や「鉄骨渡り」、「地下チンチロ」の世界に入り込めるフォトスポットも。

「利根川」が待ち受ける入り口から「カイジ」の世界がスタート

場所:大阪南港ATCギャラリー
期間:〜5月11日
料金:一般2000円ほか

■ 2m超え「睡蓮」に囲まれる異空間…
  究極の「モネ展」はこれだ![京都/京都市京セラ美術館]

大型の『睡蓮』関連作品が一堂に 『モネ 睡蓮のとき』展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

世界最大のモネ・コレクションを所蔵するパリの「マルモッタン・モネ美術館」から日本初公開作7点を含む約50点が来日。さらに日本各地の所蔵作品も加わり、晩年(1890年代~)の制作に焦点をあて、モネのあくなき探究心に迫る。同展最大の見どころは、パリの「オランジュリー美術館」を彷彿とさせる楕円形をイメージした『睡蓮』の部屋のような展示で…!

(左より)大型作品『枝垂れ柳と睡蓮の池』と『睡蓮』『モネ 睡蓮のとき』展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

場所:京都市京セラ美術館
期間:〜6月8日
料金:一般2300円ほか

■ 独創的な色彩や線画、一度見れば虜に
  謎めいた絵やタイトルから独自性に迫る【兵庫/兵庫県立美術館】

『パウル・クレー展——創造をめぐる星座』四角いオブジェがお出迎え

20世紀美術において、新しい抽象絵画を生み出したスイス生まれのクレー(1879-1940)。色彩の変化などを間近で、またピカソら同時代の芸術家らの作品も展示しているため、その対比も見どころ。既存のイメージとは異なる、激動の20世紀前半のさまざまな美術運動に影響を受けたことも分かる機会になるのでは?

6章 パウル・クレー『無題(最後の静物画)』1940年、パウル・クレー・センター、クレー亡き後に残されていた作品、息子により呼称が与えられた

場所:兵庫県立美術館
期間:〜5月25日
料金:一般2000円ほか

■ 大阪で16年ぶりの「安藤忠雄」展
  代表作を映像と水で原寸再現!【大阪/VS.(ヴイエス)】

安藤氏の教会3部作の1つ「水の教会」を再現
安藤氏の教会3部作の1つ「水の教会」を再現

同展のテーマは「青春」。80歳を超えた今もなお、第一線で活躍し続ける安藤氏の原動力を「挑戦精神」とし、これまでの挑戦の軌跡から、現在、そして未来のビジョンまでを集約した。2017年に東京・六本木で開催された「安藤忠雄展 挑戦」からスケールアップした本展は、安藤氏の「永遠の青春」を体感することができる。

天井高15メートルの展示室での映像インスタレーション。没入感がすごい
天井高15メートルの展示室での映像インスタレーション。没入感がすごい

場所:VS.
期間:〜7月21日
料金:一般1800円ほか

■ 版画で魅せる草間彌生…約4カ月半の大規模展
  京都で20年ぶり!【京都/京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ】

南瓜を模した展示空間。壁面の色合いも南瓜カラー(C)YAYOI KUSAMA

世界最大級の草間コレクションを誇る「松本美術館」(長野県松本市)が所蔵しているものを中心に、本人所蔵の作品など、会期を通して約330点が展示される同展。会場は6つに章立てられ、子どものころに親しんだ花や食べ物など、日常のモチーフを描いた初期作品から近年の代表作、モノクロームの大型シルクスクリーン作品まで網羅している。出口近くのフォトブースは唯一撮影可能!

富士山の木版画連作。原画を原寸大で再現した作品も展示されている(C)YAYOI KUSAMA
富士山の木版画連作。原画を原寸大で再現した作品も展示されている(C)YAYOI KUSAMA

場所:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
期間:〜9月7日
料金:一般2200円ほか

■ 日本初公開が9割…浮世絵の影響も!?
  ポーランドに特化した日本初といえる美術展【京都/京都国立近代美術館】

オルガ・ボズナンスカの代表作のひとつ、静けさのなかに不安が同居しているかのよう。《菊を抱く少女》1894年 油彩/厚紙 クラクフ国立博物館蔵
オルガ・ボズナンスカの代表作のひとつ、静けさのなかに不安が同居しているかのよう。《菊を抱く少女》1894年 油彩/厚紙 クラクフ国立博物館蔵

1795年のロシア・プロイセン・オーストリアによる分割占領から、1918年の第一次世界大戦の終結による独立まで、地図上からポーランドが消えてしまったこの間の時代に活躍した芸術家たちを、約140点の作品を通じて紹介するという、かつてない企画内容に。

写真左が、ヴォイチェフ・ヴァイス《ケシの花》 1902年油彩/カンヴァス 個人蔵(クラクフ国立博物館寄託)
写真左が、ヴォイチェフ・ヴァイス《ケシの花》 1902年油彩/カンヴァス 個人蔵(クラクフ国立博物館寄託)

場所:京都国立近代美術館
期間:〜6月29日
料金:一般2000円ほか

■ GWが最後!500円でこれはスゴいぞ…
  ユニークな「貝マニア」展示【大阪/大阪市立自然史博物館】

「原色日本貝類図鑑」の執筆をひとりで引き受けた吉良哲明氏の力作展示。下の標本と上の「原色日本貝類図鑑」の誌面が一致することを示している

日本の貝類学研究史を紐解くという、自然科学系ミュージアムではほとんど前例のない展示『貝に沼る』。江戸時代からの研究史が紐解かれているが、研究史と聞いても身構えないで!タイトルどおり、貝に沼ってきた人たちの歴史でもあり、大学の研究者らに混じってアマチュアの趣味人とその成果もたくさん紹介される、いわば「沼にハマってきいてみた」という趣きの展覧会となっている。

アマチュアコレクションずらりの展示。その多くは自然史博物館に寄贈されたもの

場所:大阪市立自然史博物館
期間:〜5月6日
料金:大人500円ほか

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