阪急電鉄が初の座席指定サービスを開始、子ども用座席も導入

2024.5.26 11:00

「PRiVACE(プライベース)」専用車両の外観

(写真2枚)

「阪急電鉄株式会社」(本社:大阪市北区)が、同社初となる座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の導入を決定。阪急京都線の特急系車両に有料座席のための専用車両が設定され、7月21日から運行を開始する。

■ 私鉄各社でも動き、有料の座席指定サービス

近年の鉄道利用者において、車内での密集状態の回避や、混雑する電車で確実に座って移動したいというニーズが高まっており、私鉄各社でも有料の座席指定サービスを拡充する動きがみられている。今夏デビューする本サービスでは「日常の移動時間を、プライベートな空間で過ごす自分時間へ」をコンセプトとし、阪急京都線の新型特急車両2300系および同線で主に特急系車両として運行されている9300系の一部を対象に、それぞれ大阪方から4両目が専用車両として設定される。

専用車両の内装は、落ち着いた木目調の素材とゴールデンオリーブ色を基調としたデザインで、座席数は40席。座席のシートは一般の車両と比べて座面幅や足下のスペースが広くなっているほか、2列シートの中央にはプライベートを配慮した大きめのパーテーションが設定されている。

■鉄道会社初、乳幼児用のポータブルチェア導入

また、車内設備には子ども用座席として、障がいの有無に関わらず様々な子どもが使えるという「ポータブルチェア」の貸し出しが利用できる。体幹が弱く一人で座ることが難しい乳幼児を安全に座らせられることができるように開発された商品で、座席に設置するために特別な改良がおこなわれている。鉄道会社では初の導入で、サービス運行にあたって小さな子連れ家族の移動時間をより快適なものにするための試みとなる。

乳幼児向けインクルーシブプロダクトを開発する「Halu」の製品「IKOU(イコウ)ポータブルチェア」を導入

利用方法は、ポータブルチェア利用可能座席(4B・4Cおよび5B・5C)を指定予約し、乗車の際に専属アテンダントに申し出ることで座席に設置できる。乗車時には利用する子どもと隣同士で座る必要があり、また上記の座席以外では利用出来ないので注意が必要だ。(安全管理上のため身長や体重などに制限あり。詳しくは公式サイトにて)

「PRiVACE(プライベース)」の利用料金は500円で、別途乗車区間の運賃が必要。座席指定券の購入は専用予約サイトで乗車日の14日前から、車内販売は乗車している列車に空席がある場合のみアテンダントから購入可能。運行時間はサービス開始直後は1時間あたり2〜3本の頻度で運行し、順次編成を増備、2025年頃には1時間あたり4〜6本に拡大される予定。また、運行開始に先駆け、座席体験会と試乗会が開催される。

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