呪詛狂言? 倫子の見事な立ち回りにSNS戦慄【光る君へ】

体調が悪い詮子(吉田羊)を心配する道長(柄本佑)、倫子(黒木華)(C)NHK
吉高由里子主演で、日本最古の女流長編小説『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。5月19日放送の第20回「望みの先に」では、藤原伊周と隆家の処罰が重くなった原因について、詮子が仕掛けた狂言説が浮上。それに思わぬ人が一枚噛んでいたという疑惑に、視聴者は震え上がった(以下、ネタバレあり)。
■「呪詛はしていない」道長に訴える伊周だが…
花山院(本郷奏多)に矢を射かけた藤原伊周(三浦翔平)と隆家(竜星涼)は、謀反人として一条天皇(塩野瑛久)に謹慎を命じられる。また、天皇の母で藤原道長(柄本佑)の姉の詮子(吉田羊)が、何者かに呪詛されていることがわかり、調査の結果伊周たちの仕業という結論に。激怒した天皇は、2人を厳重に処罰するよう申し渡し、伊周の妹で中宮の定子(高畑充希)も、実家の二条第に下がらせた。

伊周から「呪詛はしておりませぬ」と頭を下げられた道長は、ひそかに定子を内裏に送り、天皇に減刑を直訴させた。その結果、伊周と隆家は死罪ではなく遠流となる。定子の身を案じるききょう(清少納言/ファーストサマーウイカ)は、まひろとともに二条第に潜入。そこで2人は、検非違使別当・藤原実資(さねすけ/秋山竜次)から伊周が逃亡するところと、検非違使の役人から刀を奪った定子が、髪を切り落とす姿を目撃してしまうのだった。

■ 詮子が兼家譲りの政治的センスをフル活用!?
伊周と隆家兄弟の小さな誤解が、思いがけない自爆を招いた「長徳の変」の内情が、じっくりと描かれた21回。花山院を暗殺しようとした(と思われてもしょうがない行動)だけでもマズいけど、彼らの処罰が決定的になったのは、国母(詮子)の呪詛と並行して、臣下がするべきではない呪術までおこなったということ。まさに「国家転覆を狙う謀反人」と目されてしまったわけで、死罪になってもおかしくないほどの大事だったのだ。

弓の件は確かに言い逃れできないけど、呪詛うんぬんに関しては、藤原道長が黒幕となってでっち上げたという説が、昔も今も濃厚。ただこの『光る君へ』の道長くんは、甥たちを蹴落としてでも出世しようというほどの上昇志向はないし、実際処分を重くすることには消極的な発言をしていた。そこで浮上したのが、完全に道長の出世をプロデュースしている詮子さまだ。そしてさらに、道長の嫡妻・倫子(黒木華)までもが、それに関わっているという疑惑が出てしまった。

この「呪詛の政治利用」に関しては、私たちは詮子と道長の父・藤原兼家(段田安則)が、悪霊騒ぎを利用して花山院を出家に追い込んだという前例を見ている。それに学んだ詮子が、まさに兼家譲りの政治的センスをフル活用して「自作自演呪詛」を実行したとしても、なんらおかしくはない。もしかしたら、少し前から具合を悪くしていたというのすら、前フリの仮病だったのではないだろうか・・・。
以前からコミュ力と察し能力が半端ない倫子さまは、やっぱり同居する小姑の企みにすぐ気がついたよう。そして道長に「このことは私にお任せください(だからあなたは知らないふりをして)」と暗に告げることで、彼をこの大博打から名目上は遠ざけるというファインプレーもやってのけた。これもまた、兼家が花山院出家騒動に道長を直接関わらせず、家を守る保険にしたのと通じるものがある。
■ 倫子はどの時点からこの企みに乗ったのか
倫子の協力の甲斐もあって、詮子は弟の出世を阻み、そして自分をないがしろにした伊周と隆家の放逐に成功した。ただここで一つ、視聴者が大きな疑問としているのは、果たして倫子がどの時点からこの企みに乗ったのか? ということだ。呪詛の札を見つけた辺りで「実は・・・」と持ちかけられたというのが、一番平和ではあるけれど、「体を壊した」と言ってる段階から、すでに2人の狂言は始まっていたという方が、平安貴族の政治戦略の陰湿さが倍増されておもしろいのだけど。

さらにもう一つ、SNSで危惧されていたのは、倫子さまが「この件」の処理を一任されたことで、道長の私物を勝手に調べることに、大義名分がついてしまったということ。まえまえから、まひろが出した道長宛の文を勝手に持ち出すなど、割と「こんな奥さんは嫌だ」な行動が目についていたけど、これをきっかけにその悪癖がますます加速して、早々にまひろとの関係に気づいてしまうのでは・・・まひろがこのタイミングで京を離れるのは、もしかしたら大正解なのかもしれない。
◇
『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。5月26日放送の第21回「旅立ち」では、定子の落飾が起こした大きな影響に加え、越前への旅立ちを前にしたまひろが、道長と再会するところが描かれる。
文/吉永美和子
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