ブギウギ最終週振りかえり・世紀のうた 心のうた

2024.3.29 19:30

「さよならコンサート」で歌手人生最後のショーを披露するスズ子(趣里)(C)NHK

(写真5枚)

「ブギの女王」と呼ばれるスター歌手として、戦後の日本をブギのリズムで明るく照らしたヒロインの波瀾万丈な半生を描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。3月30日の放送は、「世紀のうた 心のうた」と題する最終週(3月25日〜29日放送)を振りかえる。

■ 歌合戦で燃え尽きたスズ子、歌手引退を決断

大みそかの歌番組「男女オールスター歌合戦」でトリを任されたヒロイン・スズ子(趣里)は、全力を出し切って圧巻のステージを魅せる。本番後、楽屋を訪れた若手の有望株・水城アユミ(吉柳咲良)はスズ子を絶賛し、周囲からのスズ子の評判は最高のもととなる。

羽鳥夫妻にとある決断について話すスズ子(趣里)(C)NHK

年が明け、雑誌の誌面には「ブギの女王復活」の見出しが踊り、スズ子のステージを賞賛する記事が並ぶ。しかし、年末の歌合戦を機に燃え尽きたスズ子はどこか心あらずで、もうこれ以上に自分が歌えることはないと感じ、歌手を引退する決心をする。

■「歌手をやめるなら絶縁」羽鳥は引退宣言を受け入れず

スズ子はその決意を胸に、これまで苦楽をともにしてきた作曲家・羽鳥(草彅剛)の自宅を訪ねる。歌手引退の意思を羽鳥に伝えるスズ子だが、羽鳥はその宣言を受け入れず猛反対し、「歌手を本当にやめるというなら、僕は君と絶縁します」とまで告げる。

スズ子からとある決断についての話を聞く羽鳥(草彅剛)(C)NHK

それでもスズ子の決心は揺らがず、娘の愛子(このか)や、これまで支えてきてくれた家政婦の大野(木野花)、マネージャーのタケシ(三浦獠太)にもその決断を伝える。動揺したタケシはその場では取り乱してしまうが、後日改めて自分の気持ちを整理するようにスズ子へ思いを伝えると、スズ子に公の場で引退を発表することを提案する。

その後、スズ子は共に困難を乗り越えてきた歌手の茨田りつ子(菊地凛子)にも引退することを伝える。ほどなくして、羽鳥もりつ子のもとを訪れ、スズ子の引退を思いとどまらせることはできないか相談する。りつ子は、同志であるスズ子の思いを尊重するとしながらも、りつ子なりの愛ある言葉でスズ子と羽鳥の間を取り持つのだった。

■ 羽鳥とすれ違ったまま、スズ子が歌手引退の会見

結局、羽鳥ときちんと話ができないまま会見に臨むことになってしまったスズ子。スター歌手の突然の引退宣言は世間の注目を集め、会見場には多くの記者が集まる。そのなかには、これまでスズ子にまつわるゴシップ記事を書き続けてきた雑誌記者・鮫島(みのすけ)の姿もあったが、スズ子は意を決して歌手引退についての思いを話し始める。

大勢のマスコミを集め、歌手引退会見を開くスズ子(趣里)(C)NHK

鮫島からの容赦ない質問にも、まっすぐ丁寧に回答するスズ子。そして会見の終わり際、鮫島は「まったく歌手に未練はない?」「寂しくなるな」「最後に1曲聴かせてほしいな」と、初めてファンとしての素直な気持ちを包み隠さず伝えるのだった。

■ 本心で向き合う羽鳥とスズ子、そして歌手人生最後のステージへ

引退会見後も、スズ子は羽鳥と相変わらず話ができないままでいた。そんなスズ子に対しりつ子はきちんと羽鳥と話をするべきだと伝える。一方、羽鳥の妻・麻里(市川実和子)も善一にスズ子と話をすべきだと伝える。やがて、スズ子が羽鳥の家を訪ねようと家の玄関を出ると、そこには訪ねてきた羽鳥の姿があった。これまで苦楽をともにし、数々の名曲を生み出してきた二人はようやく心の底から思いを語り合い、感謝を伝え合う。そして、最後に観客の前で歌を披露する場を持とうと「さよならコンサート」を開催することを決める。

お互いに対する思いを語り合うスズ子(趣里)と羽鳥(草彅剛)(C)NHK

そうしてついに、スズ子が歌手を引退する「さよならコンサート」が始まる。客席には懐かしい多くの面々が駆けつけており、それぞれの思いを胸に見守るなか、舞台に登場するスズ子。照明が落ち、静まる客席。そのなかで、羽鳥のピアノ伴奏が静かに始まり、歌手・福来スズ子の歌手人生最後のステージの幕が上がる。スズ子は『東京ブギウギ』、そして羽鳥から贈られたすべての曲を歌い切り、舞台にキスを残して、歌手としての人生に幕を下ろすのだった。

本作は、『東京ブギウギ』など数々の名曲で一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに描かれる物語。歌や踊りを心から愛するヒロインが、戦争や最愛の人との別れを乗り越えて、昭和を代表するスターとなって激動の時代を生き抜いていく。

4月1日からは、女優・伊藤沙莉(いとうさいり)がヒロインを務める第110作目の連続テレビ小説『虎に翼』がスタートする。戦前戦後に女性法律家として足跡を残した三淵嘉子(みぶちよしこ)さんをモデルに、日本初の女性弁護士、のちに裁判官となった一人の女性の物語が描かれる。

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