２５年ずっと寄り添ってくれる、ハンバートハンバートの音楽

2024.2.26 09:00

ハンバートハンバート

(写真1枚)

決して強く主張するタイプの音楽ではない。あくまでさりげなく、それでいて、いつもすぐそばで寄り添ってくれる。ハンバートハンバートの音楽は、まるで長い付き合いの友人みたいだ。

１９９８年に佐藤良成と佐野遊穂によって結成されたハンバートハンバート。フォーク、カントリー、アイリッシュ、日本の童謡などをルーツにしたサウンドと繊細なツインボーカルが紡ぎ出す世界は、今思えば、当時からすでに完成されていた。だからだろうか、２５年というキャリアを持ちながら、その印象は驚くほど変わらない。

活動自体はいたってマイペースだが、映画『プール』の主題歌『タイヨウ』や、ドラマ『僕の姉ちゃん』（テレビ東京）のオープニングテーマ『恋の顛末』、あるいは花王アタックＺＥＲＯ「普通の一日」篇の『おなじ話』など、テレビや映画、ＣＭなどへの楽曲提供や起用も多く、ずーっとどこかで耳にしているイメージがある。それでいて古くはならない。彼らほど「エヴァーグリーン」な魅力を放つアーティストは、ちょっとほかにいない。

最近ではＮＨＫＥテレで放送中の、「自分」を大切にすることを学ぶ教育番組『アイラブみー』の音楽を担当。女優の満島ひかりが演じる「みー」が１０キャラクター以上の声をひとりで歌い分けたひとりミュージカル風『みんなアイラブみーソング』に加え、「みーとハンバートハンバート」名義のオリジナルソング『やってみようソング』『それでいいソング』を提供。大きな反響を巻き起こした。

２０２３年９月には、「大阪城音楽堂」で結成２５周年ライブ『ハンバート家の夏祭りと秋祭り』を開催。彼らとともに年を重ねてきたファンに、近年メディアを通して知ったファンも加わって、なごやかな盛り上がりを見せた。

そんな２人が東京・愛知・大阪で『ハンバート家の新学期』を４月から開催。今回のライブはそれよりも小規模のハコになるため、より親密で純度の高い「ハンバートハンバートらしさ」を感じられる一夜となりそうだ。

大阪は４月２４・２５日に「梅田クラブクアトロ」（大阪市北区）にて。チケットは６０００円（別途ドリンク代要）。

文／井口啓子