大阪でワールドミュージックフェス、シーンの最前線を体感

『スキヤキ・オーサカ2023』
1991年に富山県南砺市でスタートし、30年以上にわたって日本随一のワールド・ミュージック・フェスとして開催され続けている『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド』。毎年、世界各国から注目度の高い音楽家たちを招聘し、シーンの最前線を体感できる貴重な機会だったが、2022年からはその関西版となる『スキヤキ・オーサカ』が始動。
2023年もアフリカのコンゴ民主共和国と中東のゴラン高原から2組のグループが出演。8月31日に東心斎橋のライブハウス「CONPASS」(大阪市中央区)にて、ほかでは味わえない音とバイブレーションに満ちた夜を実現させる。
■ 大阪では初のライブ、アフロ・ロックの雄
まず、今回のメイン・アクトと位置付けられるジュピター&オクウェスは、コンゴ民主共和国の首都キンシャサのゲットー地区から世界へと躍り出たアフロ・ロックの雄。伝統音楽に精通した祖父母の影響を受ける一方で、少年時代にはベルリンでロックやファンクに出会いながら独自の音楽観を育んでいったジュピター(ジュピテール)は、キンシャサの街で活動する無名のユニークな音楽家たちにスポットを当てた音楽ドキュメンタリー映画『Jupiter’s Dance』(2006年)に出演したことでワールドワイドな注目を獲得。
ブラーのデーモン・アルバーンが中心となってキンシャサで制作されたDRCミュージック『キンシャサ・ワン・トゥー』(2011年)への参加などを経て、2013年に初のアルバム『ホテル・ユニヴァース』で本格的な世界デビューを果たすと、ストリートで培ってきたファンキーなバンド・サウンドと求心力のある独自の低音ボイスの歌声で高い評価を集めた。
その後は、世界各国でライブを重ねながら、オバマ元米国大統領のプレイリストにも楽曲が選ばれるなど、アフリカの新たな顔として幅広く支持を拡大。2021年にリリースした最新アルバム『ナ・コゾンガ』でも、ブラジルのサンバ・ソウルの実力派や南米の女性ラッパーらを客演に迎えながらカラフルな新境地を示し、今年の春には米国最大の音楽フェスとして知られる『コーチェラ』にも出演した。
2014年にもスキヤキの招聘で初来日を実現させた彼らだが、大阪でもライブをおこなうのは今回が初。80年代からフランコやパパ・ウェンバを筆頭とするルンバ・コンゴレーズ(コンゴ産ルンバ)が、日本のなかでもとりわけ熱狂的に支持され、キンシャサ発のポップ・ミュージックとの相性が良い土壌を持つ大阪での初ステージとあって、これは期待せずにはおれない。アフロ色を強めた時期のJAGATARAあたりのファンもぜひ。
■ 80年代シンセを多用し転身、ゴラン高原出身デュオ
一方で、イスラエルとシリアの国境に位置し、現在は国際的に未承認のままイスラエルが実効支配しているゴラン高原出身のトゥートアルドは、2017年にアルバム『レセ・パセ~国籍なき者たちの通行許可書』でデビュー。
もともと現地ではレゲエ・バンドとして人気を集め、デビュー作ではアラブ音楽や砂漠のブルースなども取り入れたミクスチャー・サウンドを展開していたが、続いて2020年に発表された2作目『移民の島』では、トリオからデュオ形式になるとともに、音楽的にも80年代っぽい音色のシンセ類を多用したアラビック・ディスコ・サウンドへと転身して新境地を示した。
無国籍なインディ・シンセ・ポップが人気を集め、80年代のシンセを多用したアルジェリアのライなどの掘り起こしも進むなかで、あらゆる意味でマージナルな妙味に満ちた彼らの今の音がヒップに響くのは間違いのないところ。ダンサブルな音が映える「CONPASS」で、未体験の中東グルーヴを体感してほしい。
■ 人気カレー店「ボタ」なども出店
また、当日は関西のユニークな音楽イベントへの出店経験も豊富なことでおなじみの東心斎橋の名カレー店「ボタ」と、関西のワールド・ミュージック界を黎明期から牽引してきた草分け的なレコード/CD店「プランテーション」も出店。夏休みの最終日に、言葉通りの意味での「ミート・ザ・ワールド・ビート」な夜をあらゆる音楽ファンに五感で楽しんでいただきたい。
『スキヤキ・オーサカ 2023』は8月31日・夜7時半から開催。料金は前売6000円、当日6500円。高校生以下は写真付き学生証の提示で入場無料(ドリンク代は必要)。
文/吉本秀純
『SUKIYAKI OSAKA 2023』
日時:2023年8月31日(木)・19:30〜
会場:心斎橋CONPASS(大阪市中央区東心斎橋1-12-20 心斎橋ダイワビルB1)
料金:前売6000円、当日6500円(ドリンク代別途要)
※高校生以下入場無料。高校生以下は入場時に写真付き学生証の提示が必要
電話:0763-77-3817(一般社団法人スキヤキ・オフィス)
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