綺麗なのに危険な花・オオキンケイギク、宝塚市が駆除呼びかけ

2023.5.24 10:30

河川敷に咲く「オオキンケイギク」(提供:宝塚市環境政策課)

(写真5枚)

兵庫県・宝塚市役所の「環境政策課」の公式ツイッターが5月16日、「お力を貸してください」というお願いを投稿。その対象は春に美しい黄色の花を咲かせる「オオキンケイギク」のことで、実は生態系に悪影響をおよぼす特定外来生物に指定されている。その生態や駆除の注意点を、同市の山田さんに訊いた。

──そもそもオオキンケイギクとは、どのような植物なのでしょうか。

北アメリカ原産の多年草で、5月〜7月にかけて黄色いコスモスに似た花を咲かせます。日本へは1880年代に観賞用・道路緑化用として輸入されたのですが、現在では日本全国に分布拡大しました。温帯の気候に適し、路傍や河川敷、線路際などの荒地、海岸などに生えています。

──SNSでもコメントがありましたが、こんなに綺麗なのに「駆除対象」なんですよね。

はい。繁殖力が非常に強く、在来種を駆逐する(追いやる)など生態系に重要な影響を及ぼすおそれがあるため、2006年に「特定外来生物」に指定されました。宝塚市でも実際にヒルガオやスミレなどの生息地が奪われてしまい、辺りの景観が一変してしまう被害が出ています。

人体への影響があるような毒性はないようですが、自宅等で駆除する場合は手袋を着用するなど怪我をされないように注意が必要です。

オオキンケイギク(提供:宝塚市環境政策課)

■「生きたままの運搬」は法律違反、駆除の鉄則は「根ごと引き抜く」

──それほど生命力が強い植物だと、駆除の際も大変そうです。

そうなんです。特定外来生物は生きたまま運搬することが法律で禁止されているので、もし自宅などで発見した場合は、次のとおりに駆除してください。
1)花が咲いている場合は種子が飛び散らないように花を取り除く
2)根ごと抜き取る
3)袋に入れて天日でさらし、枯死させる
4)各自治体のゴミ分別方法に従って処分

──繁殖を防ぐために丁寧に駆除することが重要なんですね。宝塚市では5月末に、大規模な駆除イベントもおこなわれるとか。

はい。2016年から、宝塚市自然保護協会や市民の方の協力のもと駆除活動をおこなっておりまして。5~6年継続して駆除した個所は、ありがたいことにほとんど消滅しました。ただ駆除できていない場所は年々増殖しており、早くしないと今繁殖していない場所まで拡大する恐れが大きい状況なんです。ぜひご協力いただけますと幸いです。

『オオキンケイギク駆除体験会』は、5月28日朝10時〜昼12時に開催。参加者はまず外来生物についての講義を聞き、その後は「逆瀬川」にて実際に駆除をおこなう。宝塚市民以外も参加可能で、受付は25日まで(応募者多数の場合は抽選)。

特定外来生物(オオキンケイギク)駆除体験

日時:5月28日(日)10:00〜12:00
場所:前半・宝塚市役所内、後半・逆瀬川
料金:無料
対象:誰でも可(小学校以下は保護者同伴)

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