「セレクトショップのよう」落語×文学×上方舞のコラボ公演

2023.3.28 06:45

『RENBO/恋慕 〜いつの世も人は人を想う〜』の会見に出席した(左から)菊央雄司、山村若静紀、桂春蝶、わかぎゑふ、桂紗綾アナウンサー(3月22日・大阪市内)

(写真7枚)

落語と文学、日本舞踊を「和の音楽」でつなげ、テーマに沿った世界観を構築するコラボレーション企画『RENBO/恋慕 ~いつの世も人は人を想う』が、4月15日・16日に「ABCホール」(大阪市福島区)で開催される。

演出はリリパットアーミーIIの二代目座長で、古典芸能にも造詣が深いわかぎゑふ。落語からは桂春蝶、日本舞踊からは山村若静紀が登場、文学作品の朗読をABCテレビの桂紗綾アナウンサーが担う。そして、活躍が目覚ましい若手実力奏者の菊央雄司が、三味線はもとより胡弓や箏を演奏し、各ジャンルを彩る。

■ 公演ごとに異なるプログラムで「恋慕」を描く

『RENBO』の前身は、同じ座組で2022年10月に上演した上方舞『ゆき』×シェイクスピア『ロミオとジュリエット』×落語『たちぎれ』のコラボステージ。1回のみの上演だったが、好評を博したことから、ボリュームアップして再演されることとなった。

『RENBO/恋慕 〜いつの世も人は人を想う〜』

全3公演で、各回テーマが異なる。1回目(15日昼)のテーマは「人を人と見る『平等』」。上方舞『こすのと』を上演後、サン=テグジュペリ『星の王子様』を朗読し、落語『紺屋高尾』を披露する。上方舞の若静紀は「『こすのと』という舞は、好きな人がいるけど、なかなかうまくいかないとイジイジしているような心情を表した曲です。かすかな動きに滲み出る心や気持ちを受け取っていただけたら」と見方をレクチャー。

2回目(15日夕方)は「人を愛する『自由』」がテーマで、前述の『ゆき』×『ロミオをとジュリエット』×『たちぎれ』という構成。この回で菊央は舞、朗読、落語のすべてで演奏する。特に落語『たちぎれ』での『ゆき』は「わかぎさんのすごい演出力で、面白いことになっています。いいものをお届けするつもりです」と意気込んだ。

3回目(16日昼)のテーマは「人を待つ『博愛』」。O・ヘンリー『賢者の贈り物』の朗読後、落語の『芝浜』を口演。最後に上方舞『萬歳』で寿ぐ。わかぎは「愛し合いながらも、気持ちがすれ違うことはたくさんあると思うので、それだけに博愛というのは難しい。すごいテーマやなと思いながらやらせていただきます」と気合いを入れた。

■ わかぎ「伝統芸能が繋がっていることがわかる」

朗読からの落語という流れに、「素晴らしい助走を落語の前につけてくれる」と春蝶。『落語と文学の会』というイベントで共演を重ねる紗綾アナウンサーに全幅の信頼を寄せ、「先に紗綾さんの朗読があることで、すぐにネタに入っていける。すごくやりやすい状況を作ってくれて、落語を一段も二段も高尚な舞台に上げてくれます」と続けた。

「古典ってすごいんです」と語る演出のわかぎゑふ(3月22日・大阪市内)

わかぎは『RENBO』というコラボ企画を「セレクトショップのような会」と表現。そして「伝統芸能のいろいろなことが同時に知れ、しかもそれらが繋がっているということもわかる。この会を見ていただいた後に街へ飛び出したら、『あれも落語っぽい』『あれは日本舞踊っぽい』と、思考が広がっていくと思う」と話した。

『RENBO/恋慕 ~いつの世も人は人を想う』は、4月15日(昼12時〜/夕方5時〜)・16日(昼12時〜)に「ABCホール」(大阪市福島区)で開催。料金は各公演4800円。

取材・文/岩本

『RENBO/恋慕 ~いつの世も人は人を想う~』

日時:2023年4月15日(土)12:00〜/17:00〜、16日(日)12:00〜
開場:ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
料金:各4800円

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