父は佐藤浩市、俳優・寛一郎の舞台出演は「これが最初で最後」

舞台『カスパー』で主演を務める俳優の寛一郎(2日・大阪市内)
昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にて、暗殺者・公暁役で注目を浴びた、期待の若手俳優・寛一郎。初舞台・初主演を飾る舞台『カスパー』の会見が3月3日に大阪市内でおこなわれ、脚本に惚れ込んだというこの作品の思いを語った。
■ 「僕が今1番知りたいこと」
16歳のときに、言葉をほとんど知らない状態で発見され、21歳で謎の死をとげたカスパー・ハウザーをモデルに、1968年に発表された戯曲。とはいえカスパーの伝記ではなく、彼を媒介にして「人間は言葉を知ることで、社会にとらわれていく」という事実を、「言葉の拷問劇」と言われるほど、激しくも膨大なセリフの応酬で見せていく作品だ。
寛一郎は「自分と言葉、自分と世界というものは、すべてニアリーイコールだという、僕が今1番知りたいことが書いてある。しかも掘れば掘るほど深く考えることができて、すごく興味深かった」と、この脚本に強く惹かれたと語り、さらに「多分これをちゃんと面白く表現できるのは、舞台しかないと思って」舞台の初挑戦を決めたという。
■ 「僕にとって舞台は『カスパー』しかない」
自分が演じるカスパーについては「1人の人間ではあるけど、ひとつの新しい概念と言ってもいい」という、なかなかに哲学的な解釈を。

「僕らはこの世に誕生してから、どんどん言語を学んで、社会の倫理やルールを植え付けられていくけど、彼はそれを16歳から叩き込まれる。そこが一番大事だけど、僕らとの差はそれしかない」と役の背景を語り「カスパーには、人間の本能や根幹の部分みたいなところがあり、自分が見過ごしていたなにかに気づかせてくれるんです。そういう意味ではみんなのなかにカスパーは存在するし、概念と言えるんじゃないかな」と分析した。
ダンサーや舞踏主なども出演し、ビジュアル的にも見ごたえのある世界になりそうな舞台。寛一郎は「これが最初で最後の舞台」という気持ちで、本作に臨んでいるそうだ。
「今のところ、僕にとって舞台は『カスパー』しかない。だから『カスパー』が終われば、僕にとっても舞台は終わるという認識」とその理由を語り、さらに大阪公演に向けて「やっぱり東京とは言語も環境も違う人が観た時に、どう感じるのか? というのは、すごく気になります。大阪公演は1日しかないので、ぜひ見に来ていただきたいし、貴重な時間にしたいです」と呼びかけた。

演出は、渡辺謙主演舞台『ピサロ』などを手掛けた英国人のウィル・タケット。寛一郎以外には、首藤康之、下総源太朗などが出演する。3月の東京公演を経て、大阪公演は4月9日に「松下IMPホール」(大阪市中央区)にて。チケットは9800円で、現在発売中。
取材・文/吉永美和子
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