マンゲキの異端児・ダブルアート、尖り節で貫く「決意の出囃子」

2023.3.5 14:00

お笑いコンビ・ダブルアート(左からタグ、真べぇ)

(写真7枚)

お笑い芸人が舞台へ上がる際に流れる音楽「出囃子」。芸人にとっては自分たちの登場を知らしめる重要なテーマ曲、また舞台に立つエンジンであり、それぞれに思い入れがあるはず・・・。

そこで「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区:以下、マンゲキ)所属芸人から、曲に込められた想いや経緯などを深掘り。マンゲキメンバーの兄貴的存在で、お笑いコンビ・スマイルの瀬戸をインタビュアーに迎え、9回目の今回は狂気的なボケがクセになる、ダブルアート(タグ、真べぇ)に迫ります。

■「ペコペコする奴大嫌い」…すごいショッキングで(タグ)

お笑いコンビ・スマイルの瀬戸。今回は寒空の下、野外でインタビュー開始です

瀬戸:インタビュアーの瀬戸でございます。今日はよろしくお願いいたします。

タグ:いいんですけど、何で瀬戸さんなんや・・・。こんなとこまで進出してきたら、もう次どこ行くねんって感じですよ!

瀬戸:そこは引っかかると進まないので(笑)。もう9回目なんですよ! 前回のフースーヤからの推薦やねんけど、これまでもダブルアートは芸人票多かったよ! 改めて聞くけど、2人の出囃子は?

タグ:「JAPAN-狂撃(くるう)-SPECIAL」の『なめんな音頭』って曲で。聞き馴染みのあるようなグループじゃないですし、いろいろ引っかかる部分はあると思うんですけども。

瀬戸:そうですよねぇ。・・・で、最初の歌詞が?

真べぇ:「ペコペコするのが大嫌い、ペコペコする奴大嫌い」、ですね。

瀬戸:ハハハ! もうメッセージ性しかないやんか!(笑)

真べぇ:そこから「なめられたらなめかえす、合い言葉は『なめんなよ』」って続く・・・ちょっと祭り節の曲なんですよ。

瀬戸:でも納得いくのよ。この出囃子が流れて、お客さんが「何!?」ってなったときに2人が出てきて、あのファンキッシュな漫才見せられると・・・しかもこの曲ってイカついけども、声のキーなんかな? ちょっとポップさも残してるというか。これはどういう経緯でこの曲になったの?

タグ:これは単純に2人が影響を受けたバンドの曲で。最初に歌ってる人が「ようかいくん」っていう人なんですよ。その人はボーカルじゃなくてベースなんですけど、芸人なる前の友だちで。

瀬戸:ダブルアートはバンドもやってるもんね。

真べぇ:僕たちがバンドしてるときに、一緒に全国ツアーとか回らせていただいてたんです。で、「JAPAN-狂撃-SPECIAL」はそのままメジャーデビューして、この曲が1発目のアルバムに入ってるんですよ。

瀬戸:ほぉー! なるほどね。

2人は小学校が同じで、真べぇ(右)が1歳年上

タグ:「ペコペコする奴大嫌い」っていうのが、ようかいくんが昔からずっと言ってたフレーズなんですよ。僕の5歳上なんですけど、当時はそれがすごいショッキングで。なんか大人とか社会に対して、すごい自分の思いを投げかけてた人で、言うてることはめっちゃアホなんですけど、どこに行ってもようかいくんは「ようかいくん」なんですよ。それがかっこいいなって。

瀬戸:自分を曲げない、信念を貫いていると。

タグ:「自分が自分であるか、そうじゃないか」みたいなことを、ようかいくんはずっと言ってて。出囃子どうするってなったときに、お互いなんの相談もなく「この曲でいいよな」って、自然になっていましたね。気持ちを高ぶらしてくれる曲でしたし。

真べぇ:ようかいくん、今は宮藤官九郎さんとかとバンドとか芝居したりしてるんです。僕、何回も見に行かしてもらってますけど、未だにペコペコしてないですね(笑)。

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