１月２４日から襲来している「大寒波」は、日本各地に強烈な寒さをもたらしている。例年なら雪と無縁な地域にも積雪し、慌てて対策をしたという人もいるのでは。

そんな寒さと雪で凍えるなか、京都の老舗「佐々木酒造」（京都市上京区）が、「今日だけ雪ネコあーちゃん立ってます」という文言と、雪でできた見事な猫の像の写真を投稿。

ぴんと立った尻尾にしなやかなフォルム、そしてなんとも生き生きとした姿に、ＳＮＳでは「すごい上手！かわいいー！」「めちゃリアル･･･」「猫作るのうまｗｗ」「猫推しの佐々木酒造にはいつも癒やされる」など、完成度の高さに感嘆＆ほっこりする声があがった。

■ ３匹の猫社員が在籍する「佐々木酒造」

明治２６年（１８９３年）に創業し、俳優・佐々木蔵之介の実家としても知られる「佐々木酒造」。この「雪ネコ」は、同社の社員が「水道が凍って仕事にならない」と暇を持て余し作ったものだという。

モデルとなったのは同社のマスコット的存在である猫の「あーちゃん」。あーちゃんは、かつて会社の敷地内に迷い込んだ猫の子どもで、現在はきょうだい猫である「ちーちゃん」「ちび子ちゃん」とともに同社の社長・佐々木晃さんに引き取られている。

ちなみにこの３匹は同社の「猫社員」というポジションであり、公式サイトの「従業員数」にも「２５名（猫含む）※猫はリモートワーク中」としっかり記載されている。

同社では３匹をモデルにしたラベルのお酒やグッズなども多数発売。そこまで「猫推し」な理由を聞いてみると、「身内であってもタレントさんを起用すると広告費用が発生してしまいますが･･･（笑）、『猫社員』なら問題ありませんから」というユニークな回答が返ってきた。

ところで気になるのは、雪ネコの高クオリティさ。同社の佐々木社長によると、雪ネコを手がけた社員は前職がネイリストということもあり、プロ級な手先の器用さなんだとか。

約１時間をかけて完成したという名作・雪ネコ。残念ながら翌日にはほとんど溶けてしまったそうだが、大寒波であっても遊び心を忘れない姿勢はぜひとも見習いたい。

取材・文／つちだ四郎