野口みずきさん、現在のスポーツ界に「泥臭い路線から離れた」

2023.1.24 06:00

『第42回 大阪国際女子マラソン』で解説を務める野口みずきさん(提供:カンテレ)

(写真1枚)

『第42回 大阪国際女子マラソン』(1月29日)でテレビ中継の解説をつとめる、「アテネ五輪」(2004年)金メダリストの野口みずきさんが、解説についての意外な本音や現在のスポーツ界への思いを語った。

■『笑顔でゴール』より『優勝』、バチバチしていた

2023年10月の『パリ五輪』代表選考会に向けておこなわれ、選考会への出場権を持たないランナーにとっては、出場切符の獲得をかけた重要な同大会。ブダペスト世界選手権(2023年8月)の代表選考レースでもあり、「2時間23分18秒」の派遣設定記録を突破したランナーが代表候補となる。

野口さんは2016年に現役を引退。翌年の2017年より毎年、同大会で解説をつとめている。2011年以来12年ぶりにコース変更がおこなわれる今大会について、「今までよりもスムーズに走れるコースになっているので、好記録が続出するのではないかと期待しています。2003年の『大阪国際女子マラソン』のように、大会新記録が多数出るといいなと思っています」とコメントした。

自身が持つ日本記録(2時間19分12秒)については「(記録樹立から)もう18年も経ちますから。やはり、日本と海外の選手の記録では差がどんどん広がっているので、先日の『ヒューストンマラソン』の新谷仁美選手(積水化学)に続いて、どんどん2時間20分を切って風穴を開けないと置いていかれると思います。ぜひこのコースで好記録がたくさん出てほしいと願っています」と語った。

また、「2003年の『大阪国際女子マラソン』は、5位の小﨑まり選手(ノーリツ)も2時間23分台という好記録でした。当時は国内で勝つことが難しいとされていた時代だったので、本当に誰が勝ってもおかしくないなかで、良い意味でお互いをライバル視し、バチバチしていたからこそ、それぞれが好記録を出せたように思います」と、自身の現役時代を振りかえる場面も。

「選手のコメントも、今のように『笑顔でゴールします』というより『優勝』などの目標をはっきりと言っていました。今はどのスポーツ界も、そしてスポーツ界に限らず、古き良き汗臭く泥臭いことをやる路線から離れた気がします。ただ、今もトップ選手は案外そういう意識を持っていて、競技者として良い意味で気が強い選手が出てきているようにも思います」と持論を展開した。

■解説のベテランと思いきや…「毎年『選手の方がいい!』と」

また、今回で7度目となる同大会の解説について、「もう嫌だな~と。あの中継車に乗りたくないないな~と(笑)」とまさかの本音が。「毎年『選手の方がいい!』と思うくらいとても緊張します。ただ、アナウンサーの方とうまくやり取りをして解説をするのは、ほんの少しだけ慣れてきたように思います。それでも、まだまだだと思うので、しっかりと選手の動きや目の前で起きたことを見て、分かりやすく視聴者のみなさんに伝えていけたらなと」と語った。

今年が同大会初解説となる福士加代子さんについては「彼女はヤバいです(笑)。前回大会では、優勝した松田瑞生選手(ダイハツ)のインタビュー中に福士さんが入ってきて、自分の聞きたいことが全然聞けず、本当に悩まされました。『現場からは以上です』と早く締めようかなと思ったくらいです(笑)。その分、今年は比較的大人しく、スムーズに進められるかと思います(笑)」と笑った。

最後に、「目の前で選手が走っている姿を、視聴者の方に分かりやすく、自分なりに解説できたらなと思っています。今回の大会の見どころは、新しく生まれ変わった、記録が出やすいコース。後半には下り坂があるので、流れが変わったり、一秒たりとも目が離せない展開になることを期待しています。視聴者のみなさんにも、ぜひ注目して見ていただきたいです」と見どころを語った。

『第42回 大阪国際女子マラソン』は、1月29日・正午からカンテレ・フジテレビ系全国ネットで放送される。

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