使ってた? 便利すぎる交通カード「スルッとKANSAI」

2022.7.8 07:30

写真は「阪急電鉄」で発行していた「ラガールカード」。王子動物園のパンダなど沿線沿いの観光スポットにまつわる柄も

(写真2枚)

かつて関西の鉄道ユーザーから愛用されていた「スルッとKANSAIカード」をご存知だろうか。交通ICカードの普及に伴い利用者が減少、販売終了してしまったものの、関西で電車やバスを利用したことがある人なら一度は目にしたことがあるはず。

2018年2月をもって利用不可となり、現在も各社ごとに払い戻し対応をおこなっている同カードだが、2023年には払い戻しも終了するという(詳しい終了時期は各社で異なる)。

そこで、カードの運営や管理をおこない、現在ではICカード「PiTaPa」の発行や各種イベントを運営している「スルッとKANSAI協議会」(大阪市浪速区)に話を訊き、歴史を振りかえった。

■ せっかちな関西人に合わせた、画期的なサービス

1996年に阪急電鉄や阪神電気鉄道などの5社からスタートした「スルッとKANSAIカード」。1枚あれば大阪市交通局(現・Osaka Metro)や南海電鉄、京都市営バスなど関西圏のJRを除くほぼすべての鉄道やバスに乗車でき、乗り換え時にもいちいち切符を買う必要が無いというすぐれもの。さらにシステムとして画期的だったのは、カード残額として10円さえ残っていれば入場可能という点だ。

協議会は「当時の鉄道業界では、目的地までの電車賃を支払うことが原則でした。運輸省(現国土交通省)との交渉を重ねて、なんとか最低金額での入場を実現。せっかちな関西人に合ったサービスに仕上がったのではないでしょうか」と振りかえる。

そんな関西気質なシステムは、2004年にスタートした「PiTaPa」にも引き継がれ、全国的にも珍しい「後払い」方式の交通ICカードとして知られている。

カードは廃止されたものの、マスコットの「スルットちゃん」は現在もイベントなどで活躍中(提供=スルッとKANSAI協議会)

■ 鉄道会社ごとに異なるデザインで、コレクターも存在

ちなみに、「スルッとKANSAIカード」は各社が発行したカードの総称のことで、大阪市交通局の「レインボーカード」や南海電鉄の「コンパスカード」など、カード名はさまざま。

絵柄も鉄道会社ごとに異なり、電車やバスの写真をプリントした定番柄から、当時上映されていた映画とのコラボカード、さらに宝塚歌劇団のメンバーがプリントされた阪急電鉄の「ラガールカード」、阪神タイガースの選手やマスコットがプリントされた阪神電気鉄道の「らくやんカード」など、各社の特色が表れているのもおもしろい。

そんな収集魂をくすぐる多彩なカード展開も魅力だっただけに、終了が決まった際にはコレクターから惜しむ声も上がったという。大阪・阿倍野区にある古本屋「大吉堂」に問い合わせてみると、大量のカードが日々持ち込まれたこともあるそうで、「スルッとKANSAIカード」マニアは少なくないようだ。

協議会によると、払い戻しを終えたカードは、パンチで穴を空ける・もしくは「済」スタンプを押す形にはなるものの、返却してもらうことは可能だとか。「払い戻しはしたいけど記念にカードを残しておきたい」という人は、対応が終わってしまう前に各鉄道会社に確認をしてみては。

取材・文/つちだ四郎

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