オール巨人が語るM−1審査員「中堅の大会ならやってもええかな」

2022.6.25 07:00

書籍『漫才論:僕が出会った素晴らしき芸人たち』を上梓した漫才師・オール巨人

(写真5枚)

「悲壮感が出てきたら辞めなあかん」(オール巨人)

──やはり『M−1』は、装置としてもすごく大きいですよね。

ただ、『漫才論』には書いてないんですけれども、『M−1』の出場資格を超えた芸歴の漫才師でも、上手いのはいっぱいいますわ。でも、そういう芸人が売れる機会って、なかなかないんですよね。それが可哀想。そういう大会なら、僕は審査員やってもええかな(笑)。

最近よくテレビにも出てるけど、なすなかにしくん(2001年結成・芸歴21年)。この間、なんかで漫才見たけど、メチャクチャおもろいし上手かったなぁ。

──たしかに中堅以上が売れるきっかけって、若手より少ないですね。実にもったいない。そんなこんなも含めて、これからの漫才界はどうなっていくと思われますか?

どうなっていくんやろねぇ?

──例えば、オール阪神・巨人のように、連綿と続く「しゃべくり漫才」のスタイルが今後どうなっていくかとか。

今の劇場とかテレビの漫才を見てても、全員しゃべりは上手い。だからしゃべりが基本ですが、新しい形が出てくると思うけれども、でもやっぱりしゃべりが基本です。言えるのは、僕らは劇場で漫才をやっていくということだけですよね。ほかのことはちょっと分かりません。

巨人師匠曰く「言えるのは、僕らは劇場で漫才をやっていくということだけ」

──オール阪神・巨人はそれで通す、ということですね。著書には、「引退の日に一花咲かす」って書いてられましたけど。

いつどうやって辞めようかなって考えてますね。漫才師の「終活」みたいな。

──でも、なかなか最後の最後まで漫才を続けたコンビってそんなにいないですよね。

漫才師に、「今日で終わろう」っていう引退は無い。僕も今年で71歳になるけど、西川きよし師匠はまだまだ現役やし、上を見たらナンボでもいてはるし。そもそもお客さんはオール阪神・巨人を年寄りと思って見てないね。

お客さんが漫才をしてる僕らを見て、「歳いったなぁ」とか「悲壮感が出てきたなぁ」と思ったら、それはすぐ辞めます。まだ、そこは大丈夫かと思う。

──悲壮感の「ひ」の字もないですよ、師匠の漫才には。

案外あるねんて。気はつけてるんですけどね。軽いスクワットするとか、風呂上がりにクリーム塗るとか。それはお客さんから見てとか、テレビに映るからというのもあるんですけど、阪神くんに「老けたな」と思われるのがイヤなんですよ。 だからこの4~5年、相方のためにシミをコンシーラーで隠したりしてる。僕はそう思って、オール阪神・巨人をやってるんです。まぁ、阪神くんが気づいてるかわからんけどね(笑)。

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