夏の風物詩・稲川淳二の怪談ナイト「今年は夢のある怪談」

2022.6.19 08:00

30年にわたり『稲川巡視の怪談ナイト』を主催する稲川淳二(6月8日・大阪市内)

(写真5枚)

「怪談」をエンタテインメントにしたパイオニア・稲川淳二が、毎年開催している怪談ライブ『稲川淳二の怪談ナイト』。2022年は7月~11月にかけて、関西の4都市を含めた、全国40カ所を巡演する。70歳を超えて、ますますその語りに磨きがかかっている稲川が、会見で意気込みを語った。

■「今年はちょっとミステリアスで、夢のある怪談」(稲川)

自身の病気や東日本大震災、さらにはコロナ禍も乗り越えて、2022年で30年連続公演を実現する『怪談ナイト』。すべて新作だという今年のライブは、怪談=暗いという強いイメージに対して「元気で明るい話がそろいました」と、真逆の言葉が。

「今年はちょっとミステリアスで、夢のある怪談が多いです。今の時代からグーンと昔に戻っていく、スーパームーンにまつわる話とか。怖いけど明るくて楽しい、後味のいい怪談をお聞かせいたします」と内容を明かしたうえで、「ほかのお客さんの反応によって、つながりを感じられるから、一人でテレビで見るのとでは、楽しさが違いますよ」と、劇場で体験することをすすめた。

7〜8本程度の怪談を語り、最後は心霊写真のコーナーで締めるのが定番。写真のなかには、沼から出ている男の顔の角度が年々変化するという、このコーナーの名物となっている1枚もあるが「これを見るのは、今年が最後になるかも」という不穏な予告が。

「昔はすごく怖い印象だったのに、だんだんやさしい顔になってボケてきたんです。もはや情が入ってるから(笑)、いつかいなくなっちゃうのかなあと、一抹のさびしさがありますね」と、心のうちを明かす稲川。

2022年公演にも意気込みを見せる稲川淳二(6月8日・大阪市内)

■今年の大阪公演は、まさかの「怪談の日」

毎年関西での会見のたびに「大阪の人たちがこのライブを育ててくれた」と、大阪への思い入れの強さを語る稲川。今年の大阪公演はお盆のまっただ中のうえ、13日は「怪談の日」に当たるので、怪談には絶好の(?)タイミングでの来阪となる。

「大阪のお客さんは怖さを表現するのがうまいし、ノリがいいから、私だけでなくスタッフたちもノってきて、自分が思った以上の舞台になるんです。お盆に大阪の皆さんと時間を共有できるのはうれしいし、ご先祖様や霊について意識するような時期に、怪談を聞くのもよろしいんじゃないかと思います」と、稲川自身も楽しみにしている様子を見せた。

大阪公演は8月12日~15日に「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)、姫路公演は8月21日に「アクリエひめじ」(兵庫県姫路市)、滋賀公演は9月30日に「シライシアター野洲」(滋賀県野洲市)、奈良公演は10月1日に「なら100年会館」(奈良県奈良市)にて。チケットは全会場とも5800円で、現在発売中。

取材・文/吉永美和子

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