嵐莉菜主演、難民問題を映画にした川和田恵真監督の覚悟

映画『マイスモールランド』主演の嵐莉菜(左)と川和田恵真監督
「(台本を)何度も、何度も読みました」(嵐莉菜)
──主演の嵐莉菜さんは、オーディションで選ばれたということですが、彼女も母がドイツと日本、父がイラン・イラク・ロシアというミックスですね。
監督:そうです。彼女はモデルとして活躍しているので、すごく華やかな印象があって、ヒロインの少女とは違うかなと思っていたのですが、オーディションで彼女が「自分は何人かわからない」と言ったんです。日本で生まれ育って、日本人だと言いたいんだけど、言っていいのかわからないって。
──主人公の少女と境遇がかぶりますね。
監督:それを聞いたとき、主人公の少女に通じる複雑なものを感じながらも、それを笑顔で言うギャップにも惹かれました。それでお芝居をしてもらったら、堂々としていて、すごくナチュラルで。彼女とならこのテーマを共有できると思ったんです。

──嵐さんはオーディションに参加されたとき、どんなお気持ちでしたか?
嵐:こんな内容の作品で、こんな役柄で、と聞いて、ぜひ出演したいと思いました。私は、日本で生まれ育ったけど、見た目で外国人と判断されて、日本人と言えない葛藤が幼少期からずっとあったんです。状況はまったく違いますが、自身のルーツを人に言えない葛藤をもつ主人公の少女を、私が演じることができたらいいなと思いました。
──シナリオ(脚本)を初めて読まれたときはどうでしたか?
嵐:入管(出入国在留管理局)で父親と対面するところは泣いてしまって。そして何度も、何度も読みました。同時に出演することにプレッシャーも感じました。自分が足をひっぱらないようにしなければ、と。
──いやいや、今年の新人俳優賞の有力候補の素晴らしい演技だったと思います。嵐さんが主演に決まって、監督のなかで主人公のキャラクター設定に変化は生じましたか?
監督:ありました。初めはもっと反抗的な少女だったんです。でも、嵐さんを見て違うなと。親の言うことをきく素直な少女なんだけど、内に反抗心を秘めているようにしました。おかげでより深い人物像になったと思います。嵐さんも演技を重ねるうちに、どんどん主人公になっていくんです。2人で一緒に作りあげていった感覚ですね。

──思いが共有されているからこそ、二人三脚が為しえるという。
嵐:私にもそんな自覚はありました。嵐莉菜ではなく、主人公ならここでこう動くよな、というような。それを伝えると、監督も一緒に考えてくださって。
監督:この役はこうだから、みたいな決めつけをするのは違うと思っているので。キャストや現場スタッフとともに作っていったと思います。
──それを聞いて、最後のシーンの、少女の目線の強さを思い出しました。
監督:あの目線は、自らのアイデンティティや取り巻く社会に対して向けられたものですが、実は映画を観ている自分たちにも向けられているんだって、観ている人が思ってくれたらうれしいですね。
──そういえば、少女の家族を演じているのは、嵐さんの本当のご家族なんですね。
監督:そうなんです。お父さんと、妹と弟。みんなそれぞれの役でオーディションに参加してくれてたんです。
嵐:変な感じでした(笑)。最初は「大丈夫かな?」と心配だったんですが、結果的にすごくよかったと思います。もともと父はクルドの人たちのことを知っていて、入管のことについて家族で話すこともありましたから。

──お父さんを演じたアラシ・カーフィザデーさん、てっきりプロの俳優さんだと思っていたので驚きました。
監督:そう言ってくださる方が多いです(笑)。実は多くのルートを使って、中東系にルーツをもつ方々に会ったのですが、結局、嵐さんのお父さんが一番良くて(笑)。最初は演技も固かったですが、どんどん自然な感じになっていきました。
──おふたりが今、この撮影を振りかえって思うことはなんですか?
嵐:大変なこともありましたけど、私がわからないことがあると、監督がずっと寄り添ってくれて、おかげで主人公の少女を深く理解することができたと思います。また、実際にお会いしてクルドの方たちの話を聞いて、胸が痛くなるようなこともたくさんあって。今、難民申請をしている方々が、少しでも早く生活しやすくなればいいなと心から思います。
──監督はどうですか?
監督:そうですね。ラストシーンで、少女は強い目で前を見据えますが、彼女の置かれた状況は決して『大丈夫』ではないんです。映画を観てくださった方が、少女がどうにか大丈夫であるようにと願ってくださったら、この映画を撮った意味があるように思います。そして、社会の見え方が変わるきっかけに繋がれば、と思っています。
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