神戸市長がツイッター削除、「もう限界です」と投稿した真意

2022.5.12 07:45

ツイッターをやめたことについて説明する久元喜造神戸市長(5月11日・神戸市役所)

(写真2枚)

4月末をもって自身のツイッターアカウントを削除した、神戸市の久元喜造市長。5月11日におこなわれた市長定例会見で、その理由や思いを釈明した。

フォロワー数2万9000人、2013年から約9年間ツイッターを利用してきた久元市長だが、4月27日の夜に、突然こんな投稿をした。

「Twitter始めて9年近く。市政や神戸の情報発信のつもりでやって来ましたが、事実無根、あるいは歪曲された書き込みに悩んできました。もう限界です。マスク氏の買収で状況は更に悪くなるでしょう。この辺が潮時かもしれません。近日中にアカウントを削除します。これまでありがとうございました」

この数日後、アカウントは削除された。

久元市長はツイッターをやめた理由について「正直、負担だったが、(市民からの)反応があるので、かなり参考になっていた」とし、学校の運動会で組体操を続けるかどうかや、コロナの一斉休校を保護者がどう思っているかなど、市民の声を生で聞けたことを挙げて「非常にメリットだった」と振りかえった。

「ところがこの1年くらい、何を投稿しても、特定のアカウントが延々と同じ主張を繰り返すような返信がウェイトを占め、市民の空気を感じられることが相対的に少なくなった」とのこと。

さらに、足を運んでもいないのに「神戸大学で侮辱的なあいさつをした」や、久元市長はツイッターで特定のアカウントをブロックすることはなかったが「(私のアカウントが久元市長に)ブロックされました」などと事実無根の投稿が見られるようになったという。

「デメリットがメリットを上回り、相当な負担。続ける意味があるのかと思った。メリットはあるので相当迷ったが、思い切ってやめることにした」と久元市長。

実業家のイーロン・マスク氏がツイッターを買収したことにもふれ、「言論の自由は大事」と前置きしたうえで、「書き込みをより自由にし、いま起きていることが強まる可能性がある」と、言葉を選びながら語った。

SNSで発信をおこなう自治体の首長は多いが、いわゆる「クレーマー」をブロックしたりミュートしたりして、自身の精神衛生を保つ人もいる。ブロックをしない久元市長に対し、「ブロックしてでも発信を続けるべき」との意見もあったが、「(ツイートは公務ではない)プライベートだとはいえ、市長であることを明示している以上、気分だけで特定の人をブロックすることに躊躇があった」と述べた。

実は久元市長は、4月12日の定例会見でもツイッターについて「精神衛生上よくない。本当はやめたい」と話していた。その口調は比較的フランクで、「もうちょっと続けようかな」とも言っていただけに、ちょっと愚痴をこぼしただけだと思っていた。まさか本当にやめてしまうとは・・・。

これまでも、市職員の態度を「ふんぞり返っている」など、歯に衣着せぬ物言いで情報発信と問題提起をしてきた久元市長。そうした発信がひとつ失われたが、SNSに精神を侵されるくらいなら、エネルギーを本来の市政に注ぎ込むのが、首長としてまっとうなのであろう。なお、フェイスブックとインスタグラムのアカウントは継続している。

取材・文・写真/合楽仁美

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