「セルフプロデュース」で築き上げた、人気俳優・ムロツヨシの格

俳優のムロツヨシ
「『なんちゃらウイルス』が再構築のきっかけ」
──先ほどの「世代間の距離」の話で言うと、ムロさんは『がくげいかい』でも、世代がひと回り違う西野凪沙さんをオーディションで起用するなど、世代間の格差を縮めるような活動を、今は意識されているように見えます。
それこそ「なんちゃらウイルス」が、その辺りを再認識、再構築するきっかけにはなりましたよね。それがなかったら、みんな好きなことだけをやって、世代間の溝をどう埋めるのか? あるいは埋めないまま、どうやって上手くやるのか? ということを考えなかったかもしれない。
それはそれで、良さがあったかもしれないですけど、やはり10代・20代のデジタルネイティブの世代のみなさんと、40代の僕らとの溝は、礼儀にしてもハラスメントの考え方にしても、なかなか埋めることができない。
──そういう世代間の格差の問題は昔からありましたけど、コロナによって明らかに変化のスピードが上がった印象があります。
でもそこであきらめるんじゃなくて、僕はできるだけ早いスピードで彼らを理解したうえで、クソ真面目にふざけてやろうと思っています。僕らがアップデートすることも大事だけど、「昔のものには、こういう良さもあるんだよ」ということを、若い世代には伝えたい。さらに上の世代の人たちには「下の世代、こんなにすごいんですよ」って、彼らにわかる言葉で伝えていくのが、僕らの役割じゃないかなあ、と。
──中間管理職的な。
そうですね。特に今の若い子たちは、ウイルスのせいで活動の場が少なくなっているし、僕らと若い世代とがアジャストできて、なおかつ上の世代と下の世代を融合できるような、楽しい場所を作っていきたいです。そのうえで若い子たちに、僕を見て「くやしい」と思ってもらいたい(笑)。今の若い俳優たちのすごさには、本当に驚かされるし、正直くやしさがあるんですよ。一緒に作品を作って戦いたいし、そこでまた新しい野心を作りに行きたいなあと、彼らを見ていると思います。
──とはいえムロさんのセルフプロデュースの巧みさを、それこそ若い俳優たちは悔しがっているかもしれません。
30代の頃、誰にも見てもらえないけど、俳優をあきらめられない自分を、どう処理すればいいか? というのを考えたときに、やっぱりセルフプロデュースしかなかったんです。少し無理してやった所もありますけど、それぐらいしないと自分の限界や、本当に受け入れられる場所ややり方は、見つからなかったんじゃないかなあ。ただ30代の頃は、多少無茶して息切れしても大丈夫だったけど、今は無茶し過ぎるとパンクするんで。休み休みやるとか、他人にジャッジを渡すということも、少しずつやり始めています。
──常に「押せ押せ」という姿勢から、ちょっと変わってきたのでしょうか?
でも今日の(取材前の)生放送は、「押せ押せ」でやってましたけどね(一同笑)。引き方がまだわからないみたいです。小栗旬くんみたいに、ちょっと引いて良さを出すみたいなカッコいいことが、できたらいいんですけどねえ。

──ただセルフプロデュースには「自分はこうだ」の理想や固定概念に縛られて、役柄の幅を狭めてしまう怖さがあると思います。その点ムロさんは、いろんなキャラクターを求められるようなルートをちゃんと作れたので、それは次世代へのよい前例になったのではないでしょうか。
昔、恩師の本広(克行)監督や君塚(良一)さんに「1回自分の得意分野を、突き詰めるぐらいの勢いでやり切ったら『逆が見たい』という人が、必ず現れる。だからブレるな」と教わったのが、その通りになりました。振り子が中途半端にユラユラしてると、みんなそこだけをジーッと見ちゃうけど、端っこまで振り切れると「この反動は、どういうことになるんだろう? 逆を見てみたい」って思ってくれる、と。
だから最初はコメディばかりに呼ばれていたけど、次第に恋愛ドラマやシリアスなドラマが・・・特に今年オンエアや公開されるものって、まだコメディがないんですよ。
──まさかの「反動」の方に行きっぱなしに。
「そう考える人たちが、そんなに同時に現れるのか?」って思うぐらいです。でも笑いなしで演じていたら、現場でも静かになってしまって「ムロが元気なくなった」という噂が流れています(笑)。いやいや、元気はあるのよ! そういう役をやってたら、毎日こんな(にぎやかな)ことやらないよ!
『muro式.がくげいかい』
会場:花博記念公園鶴見緑地パーゴラ広場 特設会場(大阪府大阪市鶴見区緑地公園2-163)
期間:5/3(火)〜5/11(水)
料金:14時公演(ショート・キッズバージョン):一般5000円、高校生以下2000円
19時公演:8000円
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