神戸の歴史が息づく100周年ビル、貴重な建築美を限定公開

地上7階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造「神戸商船三井ビル」
神戸・旧居留地の海岸通に建つ「神戸商船三井ビル」(神戸市中央区)が竣工100周年を記念して一般開放。レトロ建築の魅力を伝えるべく、エントランスの一部が4月21日から期間限定で公開されている。
1922(大正11)年に「大阪商船神戸支店」として建設され、最新鋭の設備や工法が導入された同ビル。大阪で現存する重要文化財「綿業会館」などを手がけた建築家・渡辺節の初期の代表作といわれ、建物下部の石積みと上部のテラコッタ(素焼き)貼りによる外観が、重厚や華麗さを感じさせるアメリカンルネサンス様式となっている。
4月20日におこなわれたメディア内覧会では、南側エントランス付近の弾痕、昭和天皇が戦災復興状況の視察で訪れた屋上、外観を損なわないよう中庭に設置された外付け耐震フレームなど時代を肌で感じられる箇所を巡り、戦災や震災を耐え抜いた同ビルの軌跡が紹介された。

現在は約80社のテナントが入り、建設当初のままのタイル貼り廊下を会社員らが行き交う風景が広がっている。レトロなデザインが目を引くアメリカ製の手動エレベーターは100年前から現役で稼働しており、大正期の大規模集合オフィスビルのなかで竣工当時の姿を留める建物は国内で希少な存在だ。
これまで店舗(現在は3ブランド)以外のエリアは一般には非公開となっており、担当者は「映画やドラマ撮影などのご提案も度々いただいたのですが、現役のオフィスビルのため難しい現状です。今回は限られたスペースのみの公開になりますが、受け継がれてきたものから時代を感じてもらえたら」と話す。
一般公開される1階(北側)オフィスビルのエントランスでは、手動エレベーター外観(利用は不可)、床の花柄タイル、昔ながらのデザインを再現し天井に星形の影ができる照明などを鑑賞できる。期間は5月31日まで。平日のみ朝9時~夕方4時(見学の際は受付に声がけが必要)。
取材・文・写真/塩屋薫
「神戸商船三井ビル」
場所:神戸市中央区海岸通5
※1階のエントランス公開は4/21(木)~5/31(火)の平日のみ9:00~16:00
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