「なぜ?」に答える、奈良の歴史芸術文化を発信する複合施設
奈良県の歴史や芸術、文化に触れ、学び、体験できる複合施設としてオープン前から注目を集めていた「なら歴史芸術文化村」(奈良県天理市)。文化財修復・展示棟、芸術文化体験棟、情報発信棟、交流にぎわい棟が集まっており、3月21日の開業から地元民をはじめ多くの人が訪れている。
道の駅とホテルを併設し、4年前から県が約100億円かけて整備をすすめてきた同文化村。文化財修復・展示棟では、県内の文化財をただ鑑賞するだけでなく「修復」という裏側も知ってもらおうと、日本初となる4分野(仏像等彫刻、絵画・書跡等、歴史的建造物、考古遺物)で文化財修復作業現場の通年公開がおこなわれている。また芸術文化体験棟では、国内外から招いたアーティストとの交流や未就学幼児を対象としたアートプログラム等の実施も。
最大の特徴は「対話型鑑賞と体験」で、奈良の歴史や文化を五感で感じ、対話から気付きを得て「なぜ?」が芽生え、「知る」を楽しむコンセプトだという。そのため、来訪者の「なぜ?」という問いにナビゲーター(専門職員)が対話しながら答えてくれる。さらに観光や産業と連携し、地域活性化にも取り組む。
オープン前におこなわれた開村記念式典で、奈良県の荒井正吾知事は、「パリ近郊の芸術家村をモデルにしようと。文化財を教え込まれるのではなく、『何のためにあるのか?』問いかけが必要。英国王立美術院長官であるレベッカ・ソルタ氏の『つくった人の心をなぜ?と探ること』が対話型鑑賞の本質であり、それをここで実験してみようという思いがある。ルネサンスのあとに産業革命がおきたように、文化活動をしたところは経済活動が発展すると歴史が示しているので、奈良県はそれを目指したい」と思いを語った。
アートプログラムに美術を通して自己表現力を磨くイタリアの先進的な幼児教育法「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れていることも注目を集めており、式典後に開催されたシンポジウムで、文化勲章受章作家の絹谷幸二氏らとともに荒井知事は、ビジターとしてターゲットにしているのは「将来を担う子ども」と語り、「考える脳と心を鍛える場所になる」と期待を込めた。
地元・天理市在住の佐藤さん親子は、「(文化財やアートなど)それだけの目的ではなかなか行く機会が無いので、いろいろあるなかで地元の文化財などに触れ合えるのは嬉しい」「埴輪がすごかった。こんなにカッコイイものが天理にあったことを知って、びっくりした」と訪れた感想を語った。
文化財修復・展示棟では、4月17日まで開村記念特別展「やまのべの文化財」が開催。29日からは第1回企展『観音のいます地 三輪と初瀬』がおこなわれる。開館時間は朝9時~夕方5時、芸術文化体験棟とレストランは夜8時まで(月曜休館)。JR・近鉄天理駅よりシャトルバス運行(直行・有料)あり。
取材・文・写真/いずみゆか
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