撮影するだけじゃない…写真家・西野壮平に情熱大陸が迫る

写真家・西野壮平 (C)MBS
自らの足で都市を歩き回り、フィルム撮影した膨大な写真を1枚1枚手作業で貼り合わせるという手法でひとつの作品を作る、兵庫県出身の写真家・西野壮平。彼の制作の様子に『情熱大陸』が迫る。
一見したところ、不穏な空気さえ醸し出す異様な都市の俯瞰図。だが近付いて見ると、おびただしい数の小さな写真でコラージュされている。ビル群の隣にビジネスマンの顔のアップ、飲食店看板のすぐ上に巨大な動物、その配置は意味ありげで自由自在。それが西野の手法だ。
高校時代、お遍路さんの経験から写真に興味を持ち、大阪芸術大学の写真学科に進んだ西野。卒業制作の『Diorama Map』が評価され、以降約50の作品を制作してきた。2021年には「岡本太郎現代芸術賞」に入賞。ロンドンやサンフランシスコでも個展を開催するなど海外からの制作依頼も多く、今注目される写真家である。
これまで世界30カ国以上を旅し、旅の記憶をもとにさまざまな都市や風景を作品にしてきた西野。ひとつの作品に一体何枚の写真を使っているのかと聞くと、西野は「分からない。1万枚を超えた頃から数えるのが嫌になるから」と話す。
西野はなぜこんな時間も手間もかかる方法で作品を作り続けるのか? その頭のなかを覗いてみたいと、『情熱大陸』は取材を始めたという。コロナ禍で海外に行くことができなかった2021年、西野が向かったのは富士山だった。
「かつてさまざまな芸術家たちが挑戦してきた日本の象徴に対して、自分は何ができるのか?」と、西野は富士山に6度登頂し、周辺も含め60カ所の撮影ポイントで3カ月間シャッターを切り続けた。撮った数万枚の写真を貼り合わせる様子は、まるでパズルを組み立てるようだ。それは西野の記憶をもとにした正解のないパズルとも言える。
延べ半年に及ぶ制作期間に密着して見えてきたのは、結果主義、効率最優先の社会に対する抗い。西野は何度も、「プロセス」という言葉を口にする。最短距離で目的地に達することがすべてではない、その道中の経験や体験の豊かさにこそ意味があるのではないか、と。
「旅のプロセス」すべてを盛り込んだ西野だけの富士山が、圧倒的な姿を現す。この模様は2月6日・夜11時から放送される(北京オリンピック延長による放送開始時間変更の可能性あり)。
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