ファッション施設「心斎橋ＰＡＲＣＯ」（大阪市中央区）に、七色の光が煌めく幻想世界が出現した。インスタレーションアート集団「ミラーボーラー／ＭｉｒｒｏｒＢｏｗｌｅｒ」による大規模個展『ミラーボーラー星の旅』である。

ミラーボーラーとは、グラフィックデザイナー、写真家、照明技師、鋼材アーティストなど、さまざまな分野のメンバーで構成されるアート集団。アメリカの大規模イベント『ＢＵＲＮＩＮＧ ＭＡＮ』や音楽フェス『ＦＵＪＩ ＲＯＣＫ ＦＥＳＴＩＶＡＬ』など、そうそうたる活動実績を誇り、本展が初の屋内展示となる。

会場内には、光と反射を駆使した６つの巨大なアート作品を配置。各所に散りばめられたミラーボールと緻密に計算された照明の効果により、「ミラーボーラー星」という幻想世界が形作られる。同時に昭和のキャバレーやディスコを思わせる一面も併せ持っており、観客の心をざわつかせずにはいられない。

代表の麻田亮氏は、「我々は２０００年に活動を始め今年で２１年目になりますが、大規模な室内展は初めてです。過去の経験を集大成する形でみなさまにお届けできることをうれしく思っています」とコメント。続けて、「今回は『宇宙』と言うテーマを設定し、各ディレクターがそれぞれの世界を表現しています。約２５名のスタッフでこのインスタレーションを作り上げました」と言い、本展に確かな手応えを感じているようだ。

太陽、龍、万華鏡、自然崇拝など、それぞれのテーマに基づく立体作品が、照明の演出の下で１つの宇宙を形作る。その神秘的でドラマチックで、猥雑感もブレンドされた世界は一見の価値あり。会場内は写真・動画とも撮影可なので、インスタグラムなどＳＮＳで取り上げて楽しんでほしい。

開催場所は「心斎橋ＰＡＲＣＯ」１４階の「ＰＡＲＣＯ ＥＶＥＮＴ ＨＡＬＬ」、期間は２０２２年２月１３日まで。入場料は一般１２００円ほか。

取材・文／小吹隆文（美術ライター）