あのミイラが…立った!? 12体が貴重な直立姿でズラリ

2021.11.23 07:15

12点ものミイラの棺を立てた展示は、まさに本展のクライマックス

(写真6枚)

ロンドンの「大英博物館」やパリの「ルーヴル美術館」と並ぶ、世界屈指の古代エジプト・コレクションで知られる、オランダの「ライデン国立古代博物館」。約2万5000点に及ぶその所蔵品から厳選した約250点を紹介する展覧会『ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展』が、「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)で開催中だ。

展示物は、ミイラ、棺、石像、石碑、神々や神官の像、パピルスに記された「死者の書」、首飾り、耳飾りなど、実に多彩だ。しかし最も注目すべきは、12点ものミイラの棺が立った状態で見られることだろう。通常これらは寝かせて展示されるが、本展ではライデン国立古代博物館の展示スタイルに倣って立てられている。これにより棺の大きさをリアルに体感でき、棺の表面や内部に描かれた美しい図像を真正面からじっくりと鑑賞できる。

また、最新の科学的知見を大々的に活用しているのも本展の特徴。ミイラを最新のCTスキャンにかけて、原形を保ったまま生前の様子や死亡時の年齢などを解明している。本体を傷つけることなく一層ずつ剥ぐようにミイラの内部を捉えていく画像は驚異的というほかない。

最新のCTスキャンでミイラの内部を透視した図像

なお本展の音声ガイドでは、俳優の西島秀俊がナビゲーターを、声優・ナレーターの森川智之が案内人と神々の声を務めている。西島は作品解説に加えエジプトへの旅を語り、森川は古代エジプトの言葉で碑文を朗読するなど、凝った作りになっている。2022年2月27日まで開催。入場料は、一般1800円ほか。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)

『ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展』

日程:11月20日(土)~2月27日(日) 月曜・12月31日(金)・1月1日(土)11日(火)休 ※1月10日(月・祝)は開館
時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
会場:兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内])
料金:一般1800円、大学生1400円、70歳以上900円、高校生以下無料
TEL:078-262-1011

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