虫博士が監修した美術展が、京都で開幕「虫はアートだ」

2021.10.30 08:35

伊藤若冲の「糸瓜群虫図」江戸中期 11匹の虫が写実的に描かれている

(写真11枚)

解剖学者であり「虫博士」として知られる養老孟司(ようろうたけし)氏監修の特別展『虫めづる日本の美-養老孟司☓細見コレクション-』が、「細見美術館」(京都市左京区)で10月29日に開幕した。

ベストセラー『バカの壁』の作者であり、小学4年生から昆虫採集を続け、数々の論文を手がけるなど虫博士と呼ばれる養老氏。今回は、美術館ならではの「アートな目線」で、日本美術の絵画・工芸作品から、3Dプリンタなど最新のデジタル技術を駆使した現代の作品まで、多角的に楽しめる「虫」作品をセレクトした。

養老氏は、「近年、虫が減り、生き物が全体として消えていく世界は、人も住みにくい世界。虫を通じて自然そのものが気になっている。今回の展示は人が作ったものではありますが、これらアートの作者は虫。これを実際に体感していただきたい」と企画意図について語る。

テントウムシが目の前で飛び立つ様子を表した作品「Ready to Fly」(山中俊治+斉藤一哉+杉原寛+谷道鼓太朗+村松充 作)に対しては、「子どもの頃に夢見たものが目の前に。(デジタル技術が)ここまでできるようになったのか」と感動した様子で話す。

また同氏が同館所蔵の作品から選んだなかには、江戸中期の画家・伊藤若冲の「糸瓜群虫図」(へちまぐんちゅうず)も。カタツムリやカマキリ、バッタなど11匹の虫が写実的に精緻なタッチで描かれており、「ウォーリーを探せ」のように11匹全部探し出すのもおもしろい。

ほかにも、擬人化された虫たちが繰り広げる恋愛バトル物語がコミカルな江戸前期の大和絵師・住吉如慶(すみよしじょけい)の「きりぎりす絵巻」といったユーモラスな作品も並び、虫がもつ自然のディティールのすばらしさや古来、日本人が虫をどのようにとらえてきたかを感じることができる内容となっている。

会期は2022年1月23日まで(会期中一部展示替えあり)。入館料は一般1300円、学生1000円。

取材・文・写真/いずみゆか

特別展『虫めづる日本の美-養老孟司×細見コレクション-』

期間:2021年10月29日(金)~2022年1月23日(日) ※一部展示替えあり
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで) 月曜休(祝日の場合、翌火曜日)・12月27日~1月4日休
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
料金:一般1300円、学生1000円

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