売上は実に8割以上! ダイドー自販機がこんなに愛される理由

2021.9.26 14:15

電子マネー対応で、ポイントが貯められる「Smile STAND」自販機

(写真6枚)

「ルーレット付き自販機」「しゃべる自販機」など、街で見かけるちょっと変わった自販機といえば、「DyDo(ダイドー)」を思い浮かべる人も多いはず。ピーク時には全国で最大28万台設置され、国内飲料事業における売上の8割以上を自販機が占めているという。

「ぷるっシュ!」「梅よろし」といった変わり種が多いラインアップでも知られ根強いファンが多い「ダイドードリンコ」(本社:大阪市北区)に、その秘密を聞いてみました。

──ダイドードリンコさんの商品は「パンチが効いている」や「どこかほかとは違う」というような評価を受けているようですが・・・。私も「さらっとしぼったオレンジ」は小さい頃から大好きです。

お客さまから「親しみやすい」と感じていただいていること、大変光栄に思っております!

──SNSでの反響や問い合わせは、商品開発にも繋がっているのでしょうか。

寄せられる声は、ご意見、ご感想、ご要望・・・。タイムリーに社内で共有し、どのようなものでも大切にしています。例えば、好きと言ってくださった「さらっとしぼったオレンジ」。2018年に販売終了したんですが、再販を求める声がSNSを中心に数多く寄せられました。「我々が思うよりも多くの方に愛されている商品なのだ」と気づき、2019年の春に復活したんですよ。

──反響を元に商品が復活することもあるんですね! SNSでは「ダイドーの自販機はいつもワクワクする」「夢が詰まってる」など、飲み物だけではなく「自販機」の人気も高いようですが。

弊社では自販機を「お客さまをお迎えする大切な店舗」と考えています。お客さまには「楽しみながら自販機をご利用いただきたい」「飲料以外でもお役に立ちたい」という思いから、音声でコミュニケーションを図るおしゃべり機能や、当たり付きのルーレット自販機、飲料とお菓子を併売できるコラボレーション自販機などを拡充しています。

──たまに、ダイドーの自販機としかしゃべってないという日もあります・・・。

結構いらっしゃるようです(笑)。現在では標準語のほかに、地域によって関西弁など17種類の方言をしゃべるんですよ!

──え! それは知らなかったです。今度購入したときに意識してみよう。ほかにはどんな機能の自販機が?

最近では、マスクを着用したままでも購入できる、顔認証決済サービス「KAO-NE(カオーネ)」や、スマホのアプリでポイントが貯められる「Smile STAND」など、時代に合わせた自販機を開発しました。今後も「自販機のイノベーション」を進めていきます。

マスク着用時の認証も可能な顔認証決済サービス 「KAO-NE」

──ダイドーの自販機では、マスクなど公衆衛生用品や、グンゼと提携したストッキング(500円)、大王製紙と提携したベビー用おむつ(240円)の販売など、実験的な取り組みが多数おこなわれていますよね。社員さんが発案や企画をおこなう場が多いんでしょうか。

年齢や部署を問わず、誰でもチャレンジできる風土の醸成、そして「挑戦を称える」環境づくりを心がけています。

「DyDoチャレンジアワード」という取り組みもそのひとつ。その年に実行したチャレンジや、これから挑みたいアイデアを提案する場を設け、「やってみたいこと」を共有する機会となっています。自販機で傘を無償貸出する「レンタルアンブレラ」も、アワードをきっかけに誕生しました。

──最後に、ダイドードリンコならではの独特な商品を生み出せる秘訣は?

弊社では「ファブレス経営」を取り入れています。製造と物流を外部の協力企業に委託するやり方で、その分デザインや開発にじっくり力を注ぐことができるんです。

また、基本的に弊社の商品は自販機で購入いただく機会が多いため、直接手に取ってじっくりと見ていただくことが難しく・・・。だからこそ、お客様には一目で「どういった商品なのか」を分かってもらい、「飲んでみたい」「おもしろい」と感じていただく必要があります。なので、商品のデザインやパッケージには工夫を凝らしています。そういった点からもお客さまから個性的と感じてもらえているのかもしれませんね!

ドリンクを買うだけと思っていた自販機を「エンタテインメント」にするダイドードリンコ。街で見かけた際にはどんな機能があるのか立ち寄ってみたい。

取材・文/つちだ四郎

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