「人間洗濯機」に地方限定ルール…大阪の銭湯がニッチさ炸裂

2021.8.18 12:15

あらゆる種類のお風呂がギュッと詰まっている

(写真9枚)

2020年に到来した「サウナブーム」を経て、若者を中心に再注目を浴びている街の銭湯。情緒ある建物にレトロな手描き看板、番台のおばちゃん・・・そんなイメージがふわりと浮かぶなか、実は銭湯には場所によってさまざまな特徴があるのをご存じだろうか。そのニッチさ満載の魅力を追求すべく、「行った銭湯は200超え」の大阪在住銭湯マニア・ワ田さんに話を聞いた。

銭湯の真髄は排水口のフタにあり?

やってきたのは、ワ田さんの思い出の銭湯だという「豊栄温泉」(大阪府八尾市)。愛嬌のある夫婦が営む昔ながらのお風呂屋さんだ。

──懐かしさを感じる装いの銭湯ですね。いつ頃から営業されてる銭湯なんでしょうか?

八尾に来たのは昭和の終わりと聞いています。店主が石川県から出てきて、数軒の貸し風呂屋(オーナーと契約して銭湯を借りる営業形態のこと)を経た末にここの経営に至っているんです。

──石川県から都市部に出てくるお風呂屋さんは多いと聞きます。ワ田さんの「思い出の銭湯」になった由縁はなんですか?

実家が近所なんですが、お泊まり保育のときに初めて「豊栄温泉」に連れてきてもらって、そこからずっと通ってます。僕が銭湯を好きになったルーツです。あと、銭湯の排水口のフタには、施工した工務店の名前が入っているんですが、ここで「ナニワ工務店」の文字を発見して・・・今はその工務店で働いています!

工務店名がデザインされている排水口のフタ、チェックしてみよう!
工務店名がデザインされている排水口のフタ、チェックしてみよう!

──な、なんと就職まで! それは思い出以外の何ものでもないですね。

職業柄、どの銭湯に行っても排水口のフタを見ちゃうんですよ・・・工務店が知りたくて。

──(ニッチだ・・・)。

「へぇ〜」が続々、銭湯のローカルルール

──マニア的に見た「豊栄温泉」さんの魅力って、ずばり何なんでしょう?

いろいろありますが、まずはお風呂の豊富さですかね。「電気風呂」「ジェットバス」「露天風呂」「サウナ」などなど・・・このスペースにいろんなものがギュッと詰まってるんです。「エステバス」なんて、図面には『人間洗濯機』って書かれてるんですよ(笑)。

──に、人間洗濯機・・・インパクトありすぎますね。関西の銭湯ならではの特徴はありますか?

たくさんありますよ! 「豊栄温泉」には入浴後にかけ水をする用の「水鉢」がありますが、「湯鉢」が設置されている温泉もあります。しかし、「かけ湯をしたら湯船に入ってOK」は関西だけのルールなので、こうした「鉢」はこっちの地方にしかありません。東京では、体を洗わないと湯船に入っちゃダメなんですよ。最近は「先に洗ってから湯船に入る」のが一般的なマナーになりつつありますが。

──そんな地方ルールが!? 店内の装飾にも場所によって違いはありますか?

湯船の外に「腰掛け」があるのは関西だけです。ここに座って体を洗って、湯船のお湯で体を流す・・・これも関西文化なので。あとは、凝った天井の造りもならではですね。

大理石調の豪華な天井、大阪みを感じる
大理石調の豪華な天井、大阪らしさを感じる

──天井にも違いが? 「豊栄温泉」は大理石調のゴージャスな装いですね。

東京は木を使った装飾が多いですが、大阪は「豊栄温泉」のような豪華なものがよく見られます。なかにはシャンデリアが吊ってあるド派手な銭湯もありますよ(笑)

──なんか、大阪のおばちゃんの「ヒョウ柄」に通ずるものを感じますね・・・。

屋号に『温泉』がついたり、施工を手掛けた工務店の名前が石碑に刻まれていたり・・・全部関西銭湯の特徴ですね。関西のなかでも違いがあって、大阪は下駄箱から男女湯に分かれますが、京都は入り口から分けられていたり。

──奥が深すぎるぞ、銭湯・・・!

ワ田さんが「銭湯」へ通うワケ

──まだまだ語っていただけそうな「銭湯愛」ですが、ズバリ! ワ田さんが銭湯に通う一番の魅力ってなんなんでしょう?

「地域密着型」なことですね。今はいろんな「大型温浴施設」があって、設備で比較するともちろん負けちゃうんですけど・・・店主との世間話とか、常連さん同士の掛け合いとか。地域と結びついているからこそ生まれるコミュニケーションがほかにはない魅力だと思います。

銭湯マニア・ワ田さん、水風呂Tシャツで登場
銭湯マニア・ワ田さん、水風呂Tシャツで登場

──なんだか私も小学生ぶりに銭湯に行きたくなりました。ありがとうございました!

「豊栄温泉」の入浴料は、中学生以上440円など(サウナは別料金)。営業時間は昼3時40分〜夜0時まで、定休日は毎週火曜日。近鉄大阪線「河内山本駅」から徒歩約6分。

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