結成14年目・令和喜多みな実、芸を磨き生まれた「即興漫才」

左から、令和喜多みな実の河野良祐、野村尚平
7月24日より、初の単独ライブツアーをスタートさせる漫才コンビ、令和喜多みな実。結成11年目の2019年「プリマ旦那」から改名し、コンビとして活躍する一方で、ボケ担当の野村尚平は主宰する「劇団コケコッコー」で『関西演劇祭2019』のベスト脚本賞を受賞し、さらにNHK連続ドラマ小説『おちょやん』などにも出演。またツッコミ担当の河野良祐もMC業でテレビ、ラジオに引っ張りだこの状況だ。
流暢なしゃべくり漫才で、結成当初からテレビのレギュラーを多数つかみ、賞レースの常連でもあった2人だが、一時は修復が難しいほど不仲になったそうで・・・。今回はツアーの意気込みに加え、これまでの道のりについて振りかえってもらった。
取材・文/田辺ユウキ
野村「空気を読むのはもうエエかなって」
──おふたりの漫才はまさに会話劇。そういえばネタによっては、漫才(会話)が終わってハケるとき、野村さんがお辞儀をせず、河野さんと置いてスッと帰るときがあるじゃないですか。「なぜだろう」といつも気になっていたんです。
野村:僕らは普段からどのコンビよりも漫才中の所作は細かに考え、それを自分の体に落とし込んで舞台に立っていると思っています。蕪村(ぶそん)な立ち振る舞いなんですけど、会話に注力して考えると、スッと帰るときは僕が何か言葉を吐き捨てたり、居心地が悪くなってしまったり、「その場から早く離れないと」というのがあるんです。だからギャグっぽく、言い逃げすることはありますね。
河野:自分たちの漫才の形はそうやって、僕が野村に転がされたり、追い込まれたりすることが多い。そうなったとき、僕がどういう風に立ち回れるかがポイントなんです。
野村:でも、みんな「野村さんが言ったことをその場で対応できる、河野さんがすごい」とか言うんです。そんなわけないんですよ。料理にたとえるとこっちが具材はもちろん調理器具も全部揃えて、何ならキッチンまで用意したなかで、こいつはキッチンバサミだけ持ってる。それなのに、気が向いたときに真ん中に立って、みんなから「すごい」と褒められる。おいおいちょっと待てよ、と思いますね。
河野:そんなことないやろ(笑)。14年間研ぎ続けてきた包丁も持って行って、いろんな角度から食材を切ってるし、隠し包丁もしますよ!
野村:いつもそうやって出来へんことをやろうとするんです。僕の場合、あるべき姿をそのまま体現したいなと思ってるんで、言っちゃいけないことも言いますし、言っちゃいけない相手にも言う。人間って本来そういうもんじゃないですか。もちろん社会人として最低限のことは守るし、これまでたくさん我慢してきた。だからこそ、空気を読むのはもうエエかなって。
河野:結成して10年目くらいまでは、野村のそういうところが嫌で「やめてくれ」と怒ったりしていました。だけど今はやっと、「こういう人間なんやし仕方ない」と気付いて、むしろそこが「コンビの味」だと考えるようになりました。
河野「プライベートは、ほとんど話さなかった」
──そういえば配信番組『もっと絆を深めナイト!芸人セカンドプロポーズ』に出演された際、「仲が悪かった時期があった」とおっしゃっていましたよね。それでもコンビを続けることができた要因は何だったんですか。
河野:お客さんが僕らの漫才で笑ってくれていたから耐えられたんです。プライベートでは相方に腹が立つことばかりだったけど、その瞬間だけは楽しくできていました。だから、俺らをつなぎとめたのは漫才です。
野村:お前、インタビューのときはJ-POPみたいなことばかり言うよな・・・。
──ハハハ(笑)。河野さんは2015年にご結婚されましたが、野村さんに報告しなかったほど仲が悪かったんですよね。
河野:それくらい当時は野村のことが嫌いでした。プライベートについてはお互いほとんど喋らず、結婚したことを伝えることも嫌になっていました。普通の話もできない状態だったから、よっぽどだったんでしょうね。後輩には「結婚したよ」と話していたので、野村は又聞きでそれを知ったんです。
野村:ニューヨークの屋敷に「河野さんが結婚したってほんまですか?」と尋ねられたんですけど、「俺も人づてに聞いただけやから、よく知らん」と答えたのを覚えています。屋敷は、「コンビなんやから、そんなわけないでしょう」と驚いていましたね。その場にこいつがいたから、「河野さーん。結婚するんですかー?」と言ったら、「するでー」と聞こえてきた。そこで初めて本人の口から聞きました。
──漫才コンビとしては異様な関係性ですね。
野村:そのとき「これはもう俺が何を言っても、こいつは直らんな」と感じました。そこでアキナさんにチンコロしたんです(裏で事情を話すこと)。そして4人でご飯へ行って、秋山さん、山名さんにじっくり話を聞いてもらいました。

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