最新技術で広がる歌舞伎の世界、獅童「劇場で観てのお楽しみ」

2021.7.20 06:15

主演を務める中村獅童 (17日・大阪市内)

(写真4枚)

歌舞伎俳優・中村獅童と、バーチャルシンガー・初音ミクがコラボした歌舞伎公演『超歌舞伎』。最新のVR技術と伝統芸能をミックスさせた世界観と、観客参加型の演出で話題となった舞台が、2年ぶりに「京都南座」(京都市東山区)で上演。それに先駆け17日、中村獅童が大阪市内で会見をおこなった。

2016年におこなわれた複合催事『ニコニコ超会議』内の企画として誕生した「超歌舞伎」は、2019年の南座公演で歌舞伎小屋での初上演を実現。歌舞伎発祥の地でもある劇場での公演は獅童自身、並々ならぬ思いで臨んだという。

「20代のなかなか役が付かない時代は、いつか(南座の舞台の)真ん中に立てる役者になりたいと思ってました。京都は古典好きの方が多いので、この舞台をどう感じていただけるか不安でしたが、喜んでいただけた手応えはありますし、またここでやらせていただけるのは、感慨深いものがあります」と、胸の内を明かした。

今回は、新作舞踊『都染戯場彩(みやこぞめかぶきのいろどり)』と、今年4月の『ニコニコネット超会議2021』で発表したばかりの『御伽草紙戀姿絵(おとぎそうしこいのすがたえ)』を上演。『都染戯場彩』は、今回の南座公演が初演となる。

「歌舞伎を観たことがない若い方たちに、その魅力を味わってもらうのがテーマでもあるので、今回は踊りを見てもらおうと。『御伽草紙戀姿絵』はミクさんが初の悪役を演じますが、初めてとは思えない完成度。(モチーフにした演目)『土蜘(つちぐも)』には、疫病退散の意味も込められています」と、見どころを語った。

生身の俳優を舞台上で分身させるなど、最新のデジタル技術によって歌舞伎の世界を拡張させるのも、本作のお楽しみポイント。『都染戯場彩』では、「超歌舞伎」の必須グッズとなっているペンライトを用いた新しい仕掛け「超越の術」を初披露するそうだ。

「客席のペンライトの光をまとうことで、獅童が自らを超越する」という、そのくわしい内容を問われると「ネタばらしになるから、実際に劇場で観ていただいてのお楽しみで(笑)。ペンライトは超歌舞伎では演出のひとつですし、ぜひ気兼ねなく振ってください」と期待を持たせた。

『九月南座超歌舞伎』は、9月3日~26日に開催。チケットは一等席1万3000円ほか。一部の公演は、キャストと内容を変えた「リミテッドバージョン」の上演で、料金はS席6500円ほか、チケットはいずれも発売中。

取材・文/吉永美和子

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