「お手本は必要ないわ」、神戸の83歳お洒落インスタグラマー

「今日は晴れ日和だから、黒を着てみたの。雨の日は気分を上げるために、赤いアイテムを身につけたりするわ」と話す木村眞由美さん
インスタグラムに9.3万人のフォロワー数を持つ、83歳の神戸在住・木村眞由美さんは、神戸・三宮で自身のアパレルショップ「神戸ハナノキ」を経営、「神戸のファッションアイコン」とも言われている。木村さんの独特な色遣い、着こなしで魅せるファッションは、若い世代からの支持率も高い。インスタグラムには、ファッションや料理、お気に入りのカフェのこと、日々の出来事を綴っており、全国各地から「インスタでマダムのファンになりました!」と訪れてくる人も多いそう。そんな木村さんにお話を伺いました。
インスタを始めたきっかけは息子の一言
──木村さんのコーディネートや、ライフスタイルを毎日インスタグラムを通して楽しませていただいてます。私(記者)は24歳なのですが、実は私の母と親子揃って木村さんの日々の投稿を楽しみにしていて。木村さんがインスタグラムを始めたきっかけは何だったのですか?
6年前、大好きだった主人が亡くなってしまって。悲しみにくれていた私に、息子たちが「このままじゃ鬱になってしまう」と言って勧めてくれたのがインスタグラムだった。でも私はそのときなにも知らなくて、「そんな難しそうなことできひんわ」って言ったの。そしたら「お母さんはすべてにこだわりのある人やから、それを載せたらいいねん」って言われて、79歳のときに始めることにしたわ。
──インスタグラムを始めると知って、木村さんの周りの方たちの反応はどうでしたか?
お店のスタッフの子に、「インスタグラム始めるから写真撮ってもらえる?」って言ったら、「きゃー! 奥さんインスタ始めるんですね、奥さんの歳でインスタしてる人いないですよー!」 って言われたから、「いないからするんじゃない(笑)!」って言ったのを覚えてるわ。
──しっかり決心されていたんですね!始められてから4年ほど経ちますが、楽しいですか?
インスタグラム大好きよ。 もうすっかりハマっちゃって、おかげで視力も悪くなっちゃったけど(笑)。着てるお洋服を載せたりすると、たくさん方がいいねを押してくれたり、褒めの言葉をくれるの。それを見るたび「また明日も頑張ろう」って元気をもらえるの。これを通して素敵なお友だちもできたし、本当に楽しい!
・・・でもやっぱり中傷は飛んでくることがあって、そのときはめげるけど、「気にしてられない」って思うようになってからは強くなった気がするわ!
──木村さんはこわいものなしだと思っていました(小声)・・・!
私にだって怖いものはあるのよ。 今怖いのは「年齢」と「身体」かな(笑)。死は突然やってくるから、毎日後悔がないように楽しんで生きてるの。 幸せだと思ったら「幸せー!」って大きな声で言うし、おいしかったら「おいしいね!」って友だちと言い合う。これが私の日々を楽しむ秘訣かな。

「ファッションにお手本は必要ないわ」
──木村さんが考えるファッションとは何ですか?
そうね。ファッションは私にとって「いつも気分を上げてくれるもの」かしら。お友だちはね、言うんですよ、「83歳になってもそんなオシャレせんでええやん!」って。でもね、私は生きてる間は綺麗にしときたいなって思うんです。だからおばあちゃんの格好をするのがイヤで、若い子の店でよく買い物するのよ。店の人は「あんたがこれ買うの?」って顔するけど、私は気にしない。
私のファッションは、「はずす」「くずす」「色で遊ぶ」の3つでできてるの。例えばね、エルメスのかっこいいジャケットを着たら、下は破れたジーパン履くの。グッチのバッグを持つときは、ジーパンとTシャツ、そしてスニーカー。これが私のスタイル。
──そんな素敵な着こなし方憧れます。木村さんがファッションを好きになったきっかけは何ですか?
高校生のときだったわ。仲の良い2人の友だちがいたんだけど、その子たちはとってもきれいで、モテてた。それで母に相談したら「おしゃれをしなさい」と言われたの。それが始まりだったわね。ファッションを好きになってから、ボーイフレンドもできたし、おしゃれって本当に大切だと思ったわ。
──わたしももっとおしゃれしたくなりました!
あなたも今してるじゃない! おしゃれな人って、ご飯も、お家もなにもかも感性が素敵なの。服だけじゃないのよ。「このお皿にお箸を置いたら」って考えることもそうだし、服を着るときは、「これを上に着て中にはあれを着よう」「口紅はこの色をつけて、眼鏡はあれ」っていう風に、どんなときでもトータルコーディネートが浮かぶ人のことを「おしゃれな人」って言うの。「なんでもいいじゃな〜い」って人はキライだわ。
──なるほど、勉強になります。木村さんはお手本にしてる人はいますか?
お手本はね・・・いないわ! 昔から自分のファッションにはお手本が必要なかったの、自分で好きなように好きな服を過ごしてきたから。だから、「あの人素敵だな」って思っても、真似をしようとは思わないのね、私なりに着こなせばいいから。
──私は木村さんをお手本にしています!
あら、うれしいこと言ってくれるわね!

「これからやりたいことも、いっぱいあるわ!」
──木村さんはずっとファッションがお好きでこれまで生きてこられたと思いますが、好きなことをずっと楽しむためのアドバイスってありますか?
好きなことをずっと好きでいるためには、嫌いにならないように努力をすることはやっぱり必要ね。家に居て、ボーっとテレビを観ていても心は美しくならないから、外に出て町歩きをするの。町の風景や人から受ける刺激はとても大切よ。
──なるほど。私も好きなことは、これからもずっと好きでいたいなって思っていて。
大丈夫。好きなことってね、好きだから、続くのよ!
──はい、その言葉、心に留めておきます。ちなみに木村さんがこれからやってみたいことってなんですか?
やってみたいこと? いっぱいありますよ〜。1つ目は、水着を着たい! ビキニを着てみたいと思っていてね。昔は今みたいにかわいい水着なんて無かったのよ。ワンピースになっていて、丈は膝まであるの。ブルマみたいな形でとってもブサイクだったわ(笑)。もうこの歳になったら着れないから、ビキニはずっと憧れね。2つ目は車の運転をもう1度したいわ! 今はすっかり行動範囲が狭くなちゃったから、また片手運転でシューっとどこへでも出かけてた時代に戻りたいわね。
──とっても素敵です。
ありがとう!
──最後に、木村さんから若い世代に向けて、なにかアドバイスをもらえます?
うーん、ものを知りすぎないことかしら。今の時代はインターネットやインスタグラム、知れるツールがたくさんあるから、みんないろいろ知りすぎちゃって、ついつい頭でっかちになっちゃうの。知らないことはね、教えてもらったらいいのよ! 男性の人に頼りなさい。そっちの方が男性を立派にする。これは私の教訓よ(笑)。

写真/鈴木智沙子
アパレルショップ「神戸ハナノキ」
住所:兵庫県神戸市中央区三宮町2丁目8−8
電話:078-331-8769
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