滋賀県立美術館、初企画展のテーマは「コミュニケーション」

上段左・井上唯作品展示風景、下段左・井上裕加里《こうさするこうえん》、下段右・井上裕加里《grouping》
2017年4月から休館していた滋賀県立美術館(旧・滋賀県立近代美術館、滋賀県大津市)が、待望のリニューアルオープン。リニューアル後初の企画展『Soft Territory かかわりのあわい』が、6月27日より始まっている。
本展のテーマは「コミュニケーション」。新型コロナ禍で人との関わり方が大きく変化した今、何かと何かが出会い生じる化学反応に着目し、滋賀にゆかりのある12人の若手作家たちがそれぞれの手法・表現でメッセージを伝えているのだ。
たとえば滋賀県大津市出身の美術作家・河野愛は、2019年に生まれた自身の子どもと真珠を組み合わせた写真作品を発表。母の胎内で育った子どもと貝のなかで育った真珠を1つのフレームで撮影し、「異物/異者」と向き合う様を作品に昇華した。
滋賀県にある「成安造形大学」の芸術学部出身の井上裕加里は、公園の遊具をモチーフにした立体と、日韓の高校生が先生の号令の下、グループの中から誰か一人を排除していくゲームを撮影した映像を出展。コミュニケーションの必要性と、人間が他者との境界を作り出すプロセスを明らかにしている。
ほかにも、人間が作り出したさまざまな道具や技術を巨大なインスタレーションとして提示する井上唯、木の毛細管現象を利用して人物や身近な事物の像を浮かび上がらせる藤永覚耶など、12人すべての作品がこの展示のために作られた新作という点も見どころの1つだ。
型板ガラスを仕立て直した立と平面作品で、個と社会の空間的隔たりと連続性を表現した度會保浩などの作品も見られ、空間全体がクリエイティブな空気に満ち溢れている。巨匠や人気作家に頼らず、地元にゆかりのある若手作家を起用した点も高く評価すべきだ。期間は6月27日から8月22日まで、一般1200円。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
『Soft Twrritory かかわりのあわい』
日時:6月27日(日)〜8月22日(日) 月曜休(祝日の場合開館、翌日休館)
時間:9:30〜17:00 ※入館は16:30まで
料金:一般1200円 大高生800円 中小生600円
電話:077-543-2111
※「ひらけ!温故知新−重要文化財・桑実寺縁起絵巻を手がかりに−」も同時開催
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
活気と人情に満ちた、OMOろい旅 in 東京・大塚[PR]
NEW 2025.10.25 09:00 -
未来の「新大阪駅」南エリアを2日間限定で体験![PR]
NEW 2025.10.24 16:00 -
BBQなどの体験が、最大56%オフ!?大東市[PR]
NEW 2025.10.24 08:30 -
Osaka Pointでおいしくたのしく大阪めぐり[PR]
2025.10.23 16:00 -
大阪クリスマスケーキ2025年、高級ホテルから百貨店まで
2025.10.23 10:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 14:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 11:00 -
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.10.16 11:00 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
2025.10.16 10:00 -
京都「オーバーツーリズムって何?」#空いてる国宝萬福寺[PR]
2025.10.15 18:15 -
【大阪・関西万博2025】半年間ありがとう!地元編集部が取材した人気グルメから穴場スポットまとめ
2025.10.13 11:00 -
淡路島の「日本酒」に注目!秋の旬と味わう旅へ[PR]
2025.10.10 17:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.10.8 11:00 -
港町の心地よさに浸る、OMOろい旅 in 函館[PR]
2025.10.7 16:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.10.6 00:00 -
現地取材で発見!知らなかった宇治の魅力【2025年最新版】
2025.10.1 08:30 -
なぜこんなに「宇治抹茶」が世界的に人気なのか?[PR]
2025.9.30 08:00 -
写真を撮って…豪華賞品ゲット!期間限定コンテスト[PR]
2025.9.29 19:00 -
神戸アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.29 10:00 -
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
2025.8.22 17:00 -
大阪ビアガーデン2025年版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.22 12:00


トップ
おすすめ情報投稿
Lmaga.jpとは
ニュース
まとめ
コラム
ボイス
占い
プレゼント
エリア













人気記事ランキング




写真ランキング





ピックアップ







エルマガジン社の本

