宝塚歌劇団雪組新トップコンビの彩風咲奈（あやかぜ さきな）と朝月希和（あさづき きわ）。この夏には北条司氏原作の「シティーハンター」を舞台化する「『ＣＩＴＹ　ＨＵＮＴＥＲ』－盗まれたＸＹＺ－」に主演することでも注目を集めている。

どこか大人の雰囲気が漂う２人のプレお披露目となる全国ツアー公演『ヴェネチアの紋章』『ル・ポァゾン 愛の媚薬 －Ａｇａｉｎ－』が、６月２日～１５日まで神奈川、愛媛、愛知で上演。その最終地「愛知県芸術劇場大ホール」（名古屋市東区）での６月１３日１５時半公演がライブ中継・ライブ配信される。

『ヴェネチアの紋章』は塩野七生氏の小説を基に柴田侑宏が脚本・演出化。花組トップコンビの大浦みずきとひびき美都のサヨナラ公演として上演され、観客の涙を誘った名作が、３０年ぶりに謝 珠栄の新たな演出でよみがえる。

物語の舞台は１６世紀前半のヴェネチアとコンスタンチノープル。ヴェネチア元首の息子でありながら庶子ゆえに挫折感を味わうアルヴィーゼを彩風が演じる。

愛する人・リヴィア（朝月）と再会し、高まる想いのまま２人で踊るモレッカのダンスは大きな見せ場で、宝塚屈指の名ダンサー・大浦への敬意を込めつつ、高いダンス力を誇る彩風が丁寧に表現するだろう。

またアルヴィーゼはヴェネチアが彼に与えなかった「紋章」への強い執着に突き動かされ、一国の王となるため立ち上がる。親友・マルコ（綾 凰華）や、アルヴィーゼを慕う仲間たちとの絡み、リヴィアの芯の強さ、壮大な戦いが繰り広げられるクライマックスなど、ラストまで心を動かされるロマン大作だ。

演出家・岡田敬二のロマンチック・レビューの代表作を１０年ぶりに再演する『ル・ポァゾン 愛の媚薬 －Ａｇａｉｎ－』。古今東西の愛の逸話で構成された妖しくも美しい世界は、次々とスターが登場するプロローグから高揚感をもたらす。

「めくるめく愛の炎に 身をゆだね」といった濃厚な歌詞にリンクするアダルティーな振付。男役と娘役の真骨頂が味わえるジゴロの名場面から、新たなアレンジが加わったシーンまで、ファンの支持が高いレビューの陶酔感に浸って。

全国の映画館でおこなわれるライブ・ビューイングは、一般発売が６月５日１１時～１３日１５時半まで。料金は全席指定で４４００円。ライブ配信は「Ｒａｋｕｔｅｎ ＴＶ」および「Ｕ－ＮＥＸＴ」にて実施。販売は６月６日１０時～１３日１５時まで。料金は３５００円。

文／小野寺亜紀