開店延期を経て…老舗バー、発祥の地・神戸で「ようやく」

名物「ハイボール」を滑らかな手さばきで作る、オーナーの新谷尚人さん(写真は4月の内覧会にて撮影)
創業は1918年。白いバーコート姿で迎えてくれる、名門スタンディングバー「サンボア」。多くの文豪にも愛され、現在は大阪・京都・東京で14店を構えるが、実は発祥の地は神戸。コロナ禍で開店延期となっていた「神戸サンボア」(神戸市中央区)が、6月21日にオープンした。
同店の歴史の始まりは、神戸・花隈に開業した「岡西ミルクホール」。1923年には「サンボア」に改名され、その後、戦災で閉店してしまうが、修業を積んだ弟子らが大阪・京都に店を起ち上げたという。
名物の「ハイボール」(1210円)は、特注のタンブラーによく冷やされたサントリー角瓶のダブルとウィルキンソンソーダを注ぎ、レモンピールで香りづけ。氷なし、ステアなしのスムーズな流れがオーナーの新谷尚人さん流で、「東京の店ではブラックニッカが人気、関西はやっぱり『角』かな」と、もちろんお客の好みにも合わせてくれる。
4月に発令された緊急事態宣言により、当初の予定より約2カ月も先延ばしで開店を迎えた同店。初日の21日は昼からファンが静かに集い、新谷さんは「ようやく」と、ホッとした表情で接客していた。
これまで北新地・銀座・浅草の店舗を開業してきた新谷さん。コロナ禍のなか、67年ぶりの神戸復帰について「気負いせず、これまで通りやるだけ。大阪の店には神戸に住む常連さんも多かったので、お客さんの方が喜んでくれている」と笑顔を見せる。
場所は阪急「神戸三宮駅」直結の飲食街「EKIZO神戸三宮」1階海側ゾーン。感染症対策のため当面の間は昼12時~夜20時営業(酒類提供は19時まで)、土日祝休み。来店は1グループ2名まで(利用時間は60分)、チャージ330円。
取材・文・写真/塩屋薫
「神戸サンボア」
2021年6月21日(月)オープン
住所:神戸市中央区加納町4-2-1 EKIZO神戸三宮 1F海側ゾーン
営業:12:00~23:00 ※感染症対策により、当面の間は~20:00(酒類提供は~19:00)
土日祝休み
電話:078-381-8179
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