大阪コロナ減少も吉村知事「解除の目途まだない」

2021.5.19 21:45

大阪府・吉村知事

(写真6枚)

大阪府の定例会見が5月19日におこなわれた。府内の新型コロナウイルス感染症の拡大状況が前週比0.75倍と減少傾向であるものの、吉村洋文知事は「第3波の最も多かった時より多い陽性者が発生し、医療体制も厳しい状況。緊急事態宣言の解除目途は立っていない」と話した。

府内における各年代の新規陽性者は減少しているが、減少スピードは第3波の緊急事態措置が取られたときよりも遅く、鈍化している。

また、医療提供体制(5月18日時点)は、重症病床が運用病床352床に対し、入院患者数が324床、軽症中等症患者を受け入れる医療機関に入院している重症者が46人で、計370人。このため運用病床に占める重症者数の割合は105.1%と危機的な状況となっている。

軽症中等症病床の運用率は72.9%だが、小児・精神患者用病床約80床を除いた運用率は76%で、重症者の治療も継続しているため、実際の病床数は少ない。陽性者は減っているものの医療提供体制は極めて厳しい状況が続いている。

新型コロナウイルス感染者患者受入病床の確保・運用状況(5月19日・大阪府庁)

また、会見では第3波と第4波の違いについても公表された。第4波では重症者のうち50代以下の割合が約2倍、40代・50代の重症化率も約1.5倍、死亡者も50代以下の割合が3.5倍と急増していること。また、死亡例では第3波では34%だった感染経路不明者が、第4波では52%となっていることも説明された。

新型コロナウイルス感染症 重症・死亡事例(5月19日・大阪府庁)

これについて吉村洋文知事は「変異株は感染力が強く、日常では元気に過ごしている方が、どこかで感染し、亡くなる率が高い。府民、事業者の方には引き続き、より感染対策の徹底をお願いしたい」と注意喚起した。

府では来週、対策本部会議を開催する予定。現在、発令されている緊急事態宣言の解除について吉村知事は「感染状況は予測できず、病床確保も厳しい状況。解除の議論をできるレベルでない」と話している。

取材・文/岡田由佳子

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