「せんとくん」の生みの親、奈良の美術館館長に就任

2021.4.27 06:45

令和3年4月1日から「奈良県立美術館」館長に就任した、「せんとくん」の生みの親で彫刻家の籔内佐斗司氏

(写真5枚)

奈良県の公式マスコットキャラクター「せんとくん」の生みの親である彫刻家の籔内佐斗司(やぶうち さとし)氏が4月1日、「奈良県立美術館(奈良市)」の館長に就任。今後の展望などについて語った。

平城遷都1300年記念事業のマスコットとして2010年に誕生した「せんとくん」をデザイン。東京藝術大学文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室で、「東大寺法華堂」の国宝の秘仏・執金剛神(しゅこんごうじん/しつこんごうしん)像完全復元プロジェクトに携わり、「唐招提寺」に凝然(ぎょうねん)国師像、「西大寺」に道鏡禅師像を制作するなど、奈良との関係が深い籔内氏。仏像の古典技法を学び、保存修復事業にも携わってきたことから、同館の館長に抜擢された。

就任後初めておこなわれた『特別展 高島野十郎展』開幕式では、「この美術館はすごく良い場所にあるので、奈良公園の歴史文化施設のハブ施設としての役目を増やしていきたい」とコメント。

また、自身のキャラクターで2013年に奈良県と県職員限定のロゴマークになった「やまとぢからの童子(縁結び太郎)」を「準レギュラーのキャラクターとしてグッズなどもできたら。美術館のテーマを『やまとぢから』にしたい」と思いを語った。

今回の特別展の洋画家・高島野十郎については、「日本がガサガサする前の美しい日本を描いた画家。今のようなトゲトゲしい芸術表現ではなく、静謐で知性を感じ、人を穏やかに幸せにしてくれるものが芸術表現なんだと再確認していただければ」と説明。今後も独自の視点で展覧会を館公式サイト『籔内佐斗司館長の部屋』で紹介予定とのこと。同館は近鉄奈良駅から徒歩約5分。

取材・文・写真/いずみゆか

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