地域とつながる滋賀県立美術館、6月27日に新装オープン

滋賀県立美術館、外観イメージ
一時休館中の「滋賀県立近代美術館」(滋賀県大津市)が、名称を「滋賀県立美術館」に変えてリニューアルオープン。再開に先立ち、記者会見がおこなわれた。
1984年に開館した同館は、収蔵件数1786点(2020年3月時点)と、比較的小さな規模の県立美術館だ。日本画家の小倉遊亀や、染織家の志村ふくみの作品を多く収蔵しており、マーク・ロスコやロバート・ラウシェンバーグといった戦後のアメリカ美術作家の作品もコレクションを特徴づけている。2016年からは、アール・ブリュット作品の収集にも取り組んできた。
記者会見に登壇した新館長・保坂健二郎さんは、今後の方針となる「CALL」を発表。「創造(Creation)」「問いかけ(Ask)」「地域(Local)」「学び(Learning)」の4つを軸とし、変動する社会とともに、柔軟な展開を広げていくという。
リニューアルの目玉となるのが、「ウェルカムゾーン」と名付けられたエントランス・ロビーとその周辺だ。美術や滋賀に関する商品を置いたショップやカフェが入るなど、美術館のある「びわこ文化公園」を訪れた誰もが、気軽に立ち寄れるスペースとなる。一新された照明やベンチ、館内サインなどは信楽焼によるもので、地域性も強く印象づける場となった。
令和3年度の展覧会企画としては、滋賀にゆかりある12名の若手作家を紹介する企画展『Soft Territory かかわりのあわい』のほか、県の重要文化財「桑実寺縁起巻物」を中心としたコレクション展『ひらけ!温故知新』など、時代やジャンルを問わない豊かなラインアップとなっている。
開館当時のコンセプトは「県民の応接室」だったという同館。保坂さんは、「リニューアル後は、みなさんにとっての『リビングルーム』になれば』と話した。オープンは6月27日。
取材・文/浪花朱音
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