東方神起を描く話題の現代美術家・笹田靖人「刺激的なコラボ」

2021.4.1 07:45

取材当日は、圧倒的な筆致で描いた作品『ナラシカ』(2018/アクリル、紙、木製パネル)とともにインタビューを受けた笹田靖人

(写真7枚)

大阪・心斎橋で開催中の、東方神起の日本デビュー15周年記念展。そのなかで注目を集めているのが現代美術家・笹田靖人とのコラボレーション作品だ。0.3mmの極細ペンで紡がれる彼の作品は、思わず瞬きを忘れるほどの緻密さと情報量、そして対象物への圧倒的なまでの熱量を感じさせてくれる。

元々は高校時代、韓国から来た留学生の薦めにより東方神起と出会ったという笹田は、15年以上にもわたる生粋の「ビギスト」(=東方神起ファン)。そんな彼に、今回のコラボにまつわる経緯や、4月2日から開催される大阪初となる個展へ込めた思いを訊いた。

取材・文/後藤愛

純粋に東方神起ファンだったので、ただただやりたい!と

「以前から、東方神起のスタッフの方が僕の個展にいらっしゃることがあって。そのたびに自分の作品や東方神起への熱い思いを語っていたんです。僕は、与えられたチャンスに対して何とか爪痕を残そうとする癖がありまして(笑)」と、そのきっかけを話す笹田。

その情熱が見事に届き、まずは2019年におこなわれた東方神起のドーム・ツアー用のクルーTシャツを笹田がデザイン。それを機に、今回の展覧会でのコラボレーションの話が舞い込んだという。

「まだ本決まりではなかったんですが、何かイメージしてもらう材料が必要だなと思い、スケッチブックまるまる1冊分のアイデアを見てもらいました。純粋にファンだったので、ただただ『やりたい!』という強い気持ちを真っ直ぐにぶつけました」。

本来なら2020年春に東京のみで開催予定だった本展。コロナの影響で延期となったが、結果的に全国のファンが足を運びやすいようにと5都市にて規模を拡大しての開催となった。

「作品は、もうここがリミット!と言われる限界まで描き続けました(笑)。まさかのコロナ禍となりましたが、スタッフの方々の力で、安全に実施することができました。東京では展示から関わらせてもらい、自分が思い描いていたように仕上げられたことも感慨深いですね」と振りかえる。

Tシャツにもなっている作品『機械戦士』

愛に満ちた膨大な作品数ゆえ厳選した数での展示となったが、すでに会場を訪れたファンからは「東方神起愛がすごい・・・」「感動した!」と絶賛の声が絶えない。たとえば2枚でひとつの作品となるメインビジュアル『機械戦士』は、2人が向き合っている姿から互いへの信頼感を表現。周りには彼らを象徴するアイテムや数字を散りばめ、隅々まで眺めたくなる渾身の作品に仕上がった。

「絵の専門家と話をすると、すぐに評価へと入ってしまうんです。ここは良いけどここはこうした方が良いとか。でも東方神起ご本人やファンのみなさんは見る視点も違うし、すごく面白がってくれて。楽器のように響く感じで、僕にとってもこの上なく刺激的で楽しいコラボレーションになりました」。

なかに装置がある卵型の作品を立体化したオブジェも、本展の大きな見どころのひとつ。「僕の頭のなかにあるものをスケッチで表現し、立体物を制作してくださる方へお伝えしたんですが、出来上がったものを見ると『まさにコレです!』と。完璧にコミュニケーションできて、とても面白い体験でした」と、すべてが刺激的だったと明かした。

笹田靖人

『東方神起(TOHOSHINKI)15th ANNIVERSARY MUSEUM XVision』
期間:2021年3月20日(土)~4月8日(木)
時間:11:00~19:00
会場:心斎橋オーパ きれい館(大阪市中央区西心斎橋1-4-3)
料金:2000円 ※要予約

『YASUTO SASADA Exhibition -MAKUAKE-』
期間:2021年4月2日(金)~4日(日)
時間:12:00~20:00 ※初日は15時開場
会場:peel(大阪市西区南堀江1-14-14-103)
内容:笹田靖人作品展示/原画&グッズ販売
※東方神起の原画の販売はなし ※撮影OK
※入場制限を設けさせていただく場合があり
※新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、開催中止の可能性あり

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