奈良で聖徳太子の遠忌1400年展、新たな発見にも注目

2021.3.28 07:15

聖徳太子二王子像(模本) 和田貫水筆、明治30年(1897)、奈良国立博物館蔵、奈良展のみ5月18日~6月20日展示

(写真6枚)

仏教を中心とした国づくりを進め、旧1万円札でもおなじみの聖徳太子。今年は彼の1400年遠忌にあたるため、特別展『聖徳太子と法隆寺』が4月27日から「奈良国立博物館」(奈良県奈良市)で開催される。

太子創建と伝わる「法隆寺」(奈良県生駒郡斑鳩町)の寺宝が最大規模で一堂に会すという同展は、「聖徳太子をあらためて見直せる機会になる」と法隆寺の古谷正覚管長は話す。

なかでも、太子の遺徳を讃える法要「聖霊会(しょうりょうえ)」で10年に1度おこなわれる「大会式(だいえしき)」を再現した展示は注目だ。その聖霊会のご本尊「聖徳太子坐像(伝七歳像)」を拝める貴重な機会になる。

そのほか、ほぼ寺外に出たことがない、飛鳥彫刻を代表する国宝「薬師如来坐像」に加え、夢殿の国宝「観音菩薩立像(夢違観音)」、国宝「玉虫厨子」、太子のエピソードが描かれた「聖徳太子絵伝」全10面が一挙公開。

また今回の特別展を機に、X線CTスキャン調査された奈良「成福寺(じょうふくじ)」の「聖徳太子立像(考養像/きょうようぞう)」から、「菩薩半跏像」(像高6.5センチ)が胎内仏として見つかるなど新知見の発表も注目だ。

会期は6月20日まで。前売日時指定券は一般1800円、高大学生1200円、小中学生300円で、当日券はプラス200円増。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、事前予約制を導入し「前売日時指定券」が優先される。

また、会期中には小学生向けイベント『聖徳太子ジャンボすごろく』が5月4・5日に開催予定(公式サイトで要申し込み)。7月からは「東京国立博物館」へ巡回し、東院舎利殿のご本尊「南無仏舎利」が展示されるなど奈良会場とは一部異なるテーマの展示も予定されている。

取材・文/いずみゆか

聖徳太子1400年遠忌記念 特別展『聖徳太子と法隆寺』

期間:2021年4月27日(火)~6月20日(日) 月曜休(5月3日は開館)
時間:9:30分~17:00(土曜は〜19:00)※ 入館は閉館の30分前まで
会場:奈良国立博物館 東・西新館
料金:前売日時指定券=一般1800円、高大学生1200円、小中学生300円、当日券=各200円増

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