全国有数の名バーをモノクロ切り絵で表現、成田一徹の原画展

2021.2.23 21:15

併設の「barSALT」の展示。1991年に閉店したバー「キー・ポイント」

(写真13枚)

日本全国の数々の名バーを、切り絵で表現した作家・成田一徹の原画展が、2月28日まで「REC gallery」(大阪市北区)でおこなわれている。

成田一徹(1949〜2012)は、神戸市で生まれ、サラリーマン生活のかたわら切り絵に目覚め、1988年に上京し独立。好んで通ったバーの空間を黒と白のモノクロームの切り絵で表現し、90年代に一世を風靡した。2000年代も多くの連載をかかえたが、2012年に急逝された。

カウンターに立つバーテンダーがカクテルを作る所作や、常連客のくつろいだ笑顔、バックバーに並ぶたくさんの酒瓶や、店内を彩るランプなどの調度品、登場する人の服のしわにいたるまでが、切り絵の技法で表現され、その空間を知る人には、その場に居合わせているかのような臨場感が感じられる。

黒と白だけで構成された作品からは、お客がくゆらすタバコの匂いが漂い、マスターの声、グラスの中で回る氷の音など、心地よい喧噪が耳に響くかのようだ。作品には、惜しまれながら閉店したお店も多く、足繁く通った懐かしさを昨日のことのように思い出す人もいるだろう。

左から「Barオーガスタ」「BarK」「Bar OTIS」、大阪の名店

同展は、作品集『成田一徹 to the BAR』の改訂増補版刊行記念も兼ねている。生涯で1000点以上も、ライフワークとしてバーの切り絵作品を遺した彼の作品から、書籍や雑誌で発表した作品をもとに再構成されたもので、約270点が掲載されている。中心となって編纂した荒川英二さんは、大阪・北新地の「Bar UK」(大阪市北区)の店主だ。

「成田さんとは、私が神戸に勤務している時に知り合い、神戸でよく一緒に飲みました。彼が愛するバーを切り絵作品に仕上げることで、バーの社会的ステイタスや認知度の向上に大きく貢献することになったと思います」と親交の深かった荒川さんは話す。

本展では、多くのオーナー・バーテンダーらが「いつか自分の店を切り絵にしてもらう」ことを願った、成田一徹が表現した世界から、厳選された80点が展示されている。ギャラリーには、バーが併設されており、彼が愛したハイボールやジンリッキーを飲めるという粋な計らいも。鑑賞は13時から19時、入館料はワンドリンク付き1000円。ギャラリーの住所は大阪市北区西天満4-2-13。

『今、再びのto the BAR 成田一徹 切り絵原画展』

期間:2021年2月17日(水)〜2月28日(日)
会場:REC gallery(大阪市北区西天満4-2-13)
時間:13:00〜19:00
料金:1000円(bar SALTでのワンドリンク付き)
電話:06-4792-8180

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