店員もお客もいない!? 奈良の書店が挑む、究極の無人化

2021.1.31 08:45

店内の様子、朝限定で営業する「おはなさんのおむすび屋さん」。それ以外は無人に

(写真8枚)

奈良の無人キャッシュレス書店「ふうせんかずら」(奈良市)が12月に移転オープンし、究極の無人化を目指した新サービスを2月上旬からスタートさせる。

日本初の無人キャッシュレス書店として、2018年に開業した同店。事前にスマートフォンで会員登録しIDで入店、カードリーダーを使ってセルフ精算するシステムで話題に。常連でもある奈良市の20代女性・漁野さんは、「朝、無人の店内にひとりでいると秘密基地感があって、こもっている感じが好き」と話す。

当初は人件費削減が可能なシステムとして注目を集め、2019年に滋賀に2号店をオープン。が、今回の目的は、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大防止への対策として、お客がお店に足を運ばずとも、 本屋さんで本を選ぶ体験、本との出合いをオンライン化した書店だ。

2月上旬からスタート予定の新サービス「タナミル」は、5台のワイヤレスカメラを使用し、24時間リアルタイムで店内の本棚をオンライン配信。カメラは、人が実際に歩くスピードで動きながら店内の本棚を順に映し出し、画面下のテロップで本が紹介される。それを眺めながら、気になる本をキープして問い合わせ、購入できる。

書店の醍醐味といえば、独自にセレクトされた本棚を見ていくなかで、新たな出合いがあること。同店では、現在8組のブックオーナーがセレクトした個性豊かな本を取り扱っており、オンラインで発見できる場を準備したのだ。

オーナーで「有限会社ならがよい」の平田幸一さんは、「旧来の媒体である本も、ネットも、情報発信という意味では変わらない。コロナ禍でお客さまに来ていただくのが難しい状況のなか、店側からどれくらい情報を出していけるかという発想を切り替えました。店舗も無人、お客さんが来なくても商売ができる究極の無人化です」と説明する。

今後は、ユーチューブの「ふうせんかずらチャンネル」で、オンライン参加型のブックオークションなども考えているという。また、同じく2月上旬に書店としては珍しいサービスも開始予定で、それは店内にあるキッチンにカメラを仕込んだ「オンライン配信 キッチンスタジオ」だ。

「何かを作っているプロセスの発信」を目的とし、現在は、朝ごはん限定で営業する『おはなさんのおむすび屋さん』(火~金/7時30分~9時30分)の「おむすび」ができるまでをテスト配信。このキッチンはレンタルでき、食べ物だけでなく、あらゆるクリエイターがプロセス情報発信の場所として利用できる(録画・編集サービスを含む)。

店舗は、平日は無人だが、土日は有人でID不要のカギ開放デーとして営業。7時30分〜22時で年中無休。新サービス開始日は公式サイトで告知予定。

取材・文・写真/いずみゆか

「ふうせんかずら」

2020年12月10日(木)移転
住所:奈良市東城戸町32-1
営業:7:30〜22:00 年中無休(臨時休業あり)

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