元自衛官タレント・かざり「ガンアクションができる女優に」

2020.11.14 19:15

梅田スカイビルの空中庭園展望台に初めて訪れたという、三重出身のかざり

(写真10枚)

「夢の世界に元気づけられて生きてきました」

──自衛官って体育会系やアウトドア系な人が揃っているイメージですけど、アニメ好きなど文化系の方もいるんですか?

実は結構多いです。休日はずっとDVDでアニメを観ている人もいましたし、私もいろんな自衛官の人たちに『ガールズ&パンツァー』、『攻殻機動隊』、『BLACK LAGOON』などを薦めていました。そこはみんな、やっぱりミリタリー系作品が好きなんですよね。

──意外です!

イメージ通り、自衛隊はおカタい職業かもしれません。でも、もちろんそれだけではない。退職後の私の役割は、そういうイメージをちょっと柔らかくして、自衛隊の裾野を広げて親しみやすくすること。もともと広報をやりたくて入隊したので、芸能活動を通して自衛隊に貢献できたら良いなって。

──劇中に登場する映研部は全員個性的ですけど、自衛官のみなさんもキャラは濃そうですね。

私の場合はまず女性自衛官教育隊というところに入ったのですが、そこで感じたことがあるんです。これはあくまで私の偏った印象なのですが・・・。

──かざりさんの個人的な見解ですね。

大まかに4つのタイプに分けられる気がしたんです。ひとつはバリバリの運動系。女バス(女子バスケットボール部)みたいな感じ。次は私のようなオタク系。

運動は苦手だけど座学が得意だったりする。3つめのタイプはお姉さん系。運動部系もオタク系も両方いけて、ある意味どっち付かずだけど、まわりを和ませてくれる。集団生活をする上で欠かせない、しっかり者。

──4つめは?

「なぜ入隊してきたのかパッと見は謎!」というタイプです。私が出会ったなかには、家柄的にお嬢様の子もいました。「なぜ入隊したんだろう」とずっと不思議だったんですけど、理由を尋ねると「家業を継ぐのが嫌だから」ということだったんです。

ほかにも主婦の方もいらっしゃいましたし。運動部系しかいないと思われるけど、いろんなタイプの隊員がいましたね。

今も元同僚は「すごく応援してくれています。今回の映画も観るよって言ってくれたりうれしいですね」

──なるほど、ちなみに任期満了してから約3年経ちますが、トークや動画などで自衛官ネタが尽きたりはしませんか。

まだまだ頭のなかにいろんなアイデアがあります。でも定期的に、駐屯地や基地へ行ってネタを仕入れたいです。あと、駐屯地や基地とのコラボをやっていきたい。

YouTubeのチャンネルは自分自身を表現するものなので、著名人の方とのコラボはあまり考えていなくて。もちろんお話があればぜひやりたいのですが。でもまずは、自分の大切な経歴である自衛隊とコラボして、相乗効果として面白いものを生み出していきたい。

──かざりさん自身、これからはタレントとしても活躍の場がかなり出てきそうですね。

お芝居のお仕事はもっとやっていきたいです。私にしかできない個性を生かして、自衛官、軍人、警察官などの役に挑戦してみたい。ほふく前進もできますし、実弾を打った経験もあります。本格的なガンアクションができる女優さんを目指したいです。

──実際に銃を撃った経験を持つ役者って決して多くはないはず。映画やドラマの銃撃シーンを観ていて、「それって嘘じゃん」と感じることもあるんじゃないですか。

もちろんありますが、でもそういうフィクションも含めて映像作品のおもしろいところですよね。夢の世界なので。エンタテインメントの面で、ミリタリーのことを細かく言うのは何だかヤボな気がするんです。

──それはすごく良い意見ですね。

私自身、ミリタリー系のアニメや漫画を見て、正しいか間違っているかという部分ではなく、夢の世界そのものに元気づけられて生きてきました。そこにツッコミをいれると楽しい夢が壊れちゃう気がする。だから何があっても言わないようにしています。ただ、自分が演じるときはめちゃくちゃリアルにやろうと思います(笑)。

『ビューティフルドリーマー』

2020年11月6日(金)公開
監督:本広克行
出演:小川紗良、神尾楓珠、斎藤工、秋元才加
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C)2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会

関西の上映館:シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、MOVIX京都

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