沢田研二主演の新作、山田監督「もうすぐクランクアップ」

2020.11.1 07:15

京都で撮影した『たそがれ清兵衛』について語った山田洋次監督

(写真2枚)

10月31日に、「京都文化博物館」(京都市中教区)で開幕した『第12回京都ヒストリカ国際映画祭』。2003年アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた『たそがれ清兵衛』(2002年)がオープニング上映され、山田洋次監督、同作で美術助手とつとめた倉田智子、松竹撮影所・大角正代表取締役会長がトークをおこなった。

『たそがれ清兵衛』は山田監督にとって初めて挑戦した時代劇映画。1966年に江戸を舞台にした『運が良けりゃ』を制作しているが、山田監督は「あの作品には侍が出てこないので、伝統的な時代劇の形ではない。だから、侍が剣を抜くという時代劇への憧れがあって作りました」と作品への思い入れについて語った。

「ギラギラと光る刀を抜く瞬間の緊張感を描きたかった」という山田監督。「大勢で囲んで、後ろから刀で突けば良いじゃないかという物語にはしたくなかった。藤沢周さんの原作は(リアリティの)部分を大事にしている」と、時代劇特有のツッコミどころを排除して現実性を磨き上げた。

山田監督は撮影時も、江戸で暮らす庶民の暮らしを知るために「行灯(あんどん)の点け方を教えてほしい」など松竹京都撮影所のスタッフにリクエスト。さらに「時代劇について何もかも知りたかった。寝るときは寝間着を着ていたのか。寒い冬はどんな下着を着ていたのか。お城に勤めに行ったとき、給食は出たのか。全部知りたかった。(時代劇の)常識の上に乗っかって楽をしてはいけない」と徹底的に作り込んだ。

倉田も、「私の師匠である美術監督・西岡善信さんは、山田監督から細かいことをどんどん尋ねられて困っていました(笑)。でも、時代劇の基本的なことを監督が質問することで、あらためて解釈をするうちに、西岡さんは『原点に返ることができた』とおっしゃっていました。今までやってきたことにプラスアルファをして良いセットが作れたそうです」と振りかえる。

大角会長も「山田監督と松竹京都撮影所のスタッフとの闘いがあった。撮影所の面々はみんな『俺たちの技術を思いっきり出す』という感じだった。そのエネルギーが真田広之さん、宮沢りえさんにも伝わり、役に没頭していた。緊張感が画に入っている」と撮影中は熱気がものすごかったと言い、山田監督も「京都じゃなきゃ撮れなかった」と話した。

山田監督は現在、2021年に公開予定の『キネマの神様』を制作中。主演予定だった志村けんさんが新型コロナウイルス感染で亡くなり、主演は沢田研二に変更。山田監督は「いろんな事情で中断しましたが、9割、撮影しました。あと2、3日撮ればクランクアップ」と近況を報告。同作には、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、宮本信子らも出演する。

『第12回京都ヒストリカ国際映画祭』は、11月8日まで「京都文化博物館」で開催。オンライン上映もあり。料金や詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/田辺ユウキ

『第12回京都ヒストリカ国際映画祭』

期間:2020年10月31日(土)〜11月8日(日)
会場:京都文化博物館(京都市中京区東片町623−1)
料金:チケットにより異なる(オンラインあり)

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