大阪発のカンカン革命!見ているだけでときめく菓子缶

見ているだけで楽しい、お菓子缶
キラキラした宝石や花などカラフルで美しいデザインが特徴的で、思わず手に取りたくなる菓子缶の数々。食べたあとも使える「カンカン」(大阪弁?)が、「かわいすぎる」「集めたい」とネット上でもたびたび話題に。これらの缶は街の洋菓子店で入手でき、実は仕掛け人がいるのだ。
それは東大阪の製缶メーカー「大阪製罐株式会社」(大阪府東大阪市)による、個人経営の洋菓子店のための菓子缶事業「お菓子のミカタ」。同社の3代目社長・清水雄一郎さんに詳しい話を訊いた。
■ すべては日々忙しい個人経営の洋菓子店のため
1948年に大阪で創業し、大手お菓子メーカーやテーマパークなどの菓子缶を多く手がけてきた同社。近年、菓子缶業界は個包装の技術の発達などで需要が下がっているなか、毎年右肩上がりに売り上げを伸ばし続けているという。
同社が「お菓子のミカタ」を始めたのは、2013年に清水さんが3代目社長に就任したすぐ後の2014年1月。「これまでは、お客さんからもらったデザインのまま缶を生産する受注業務をしていました。でも缶メーカーとして街のお菓子屋さんが喜んでくれて、助けになるようなことがしたかった」と、社長の清水さん。
「通常、缶を注文する際には1回で3000個からが基本なんです。でも街のお菓子屋さんはそんなにたくさんの注文はできない。だから、これまで100円ショップで缶を買ってきて、自分たちでデコレーションするなどして缶を利用してきたそうで・・・。そういった現状を打破したかった」と、きっかけを話す。

そういった思いからできた「お菓子のミカタ」缶。最初に出来あがったのは、丸缶3種類。この3種類を知ってもらうため、全国各地の洋菓子店に直接手紙を送り、地道な営業活動をおこなったという。
そうして現在では、1番人気で宝石をあしらったデザインの「ビジュー缶」をはじめ、丸缶・小さい丸缶・長方形型などさまざまなデザインと形の缶が約30種類。各地の洋菓子店をはじめ和菓子店でも愛用されている。
■ 洋菓子店とお客さん、両者からの喜びの声
いまや全国で約1000件の菓子店が「お菓子のミカタ缶」を取り扱い、多くの喜びの声が寄せられるそう。なかでも、「お店で出しているお菓子を詰めてもらうことを想定していたのですが、この缶に合うお菓子を作りたい、と缶のために新作を作ってくれるお菓子屋さんがいて、とても感動しました」と、パティシエたちから感銘を受けることも。
実際に2018年からお菓子のミカタ缶を使っている東大阪の洋菓子店「パティスリー モンガトウ」のオーナー・長尾徹さんは、「以前はクッキーなどの焼き菓子はビニール袋に入れて販売していたのですが、缶のほうが断然品質が保ちやすい。また見た目もかわいいから、これ目当てで買ってくれる人も多いんです」と、多くの人に喜んでもらえている様子を笑顔で話す。

また、一般のお客たちからもSNS上で「#お菓子のミカタ」というハッシュタグにて、続々と喜びの声も。全種類集めるほどのコレクターも多くいるそうで、「宝物になる」「大事なものを入れて大切にしたくなる」と、ビジュー缶であればアクセサリーケースに。お菓子を入れる役目を終えたあとも大切に使用されている様子が多く見られる。
■ 決してブレない菓子店への想いはコロナ禍の救いに
「お菓子屋さんのためになることは、その先のお客さんも喜ぶことだと信じてやってきた。お客さんの手に渡ったあとが見られるのは、作り手としてのよろこび。それが本当に広がってうれしいし、もっとお菓子屋さんのためになることができれば」と、常に菓子店に寄り添う姿勢を見せる。
その洋菓子店を思う気持ちは売り上げにも影響を与えており、実際、コロナ禍の今年4〜6月にあった緊急事態宣言中でも、「お菓子のミカタ缶」を使用している洋菓子店では売り上げが好調だったという。
「同じ缶を使っていても中身が違えば、ガラリと雰囲気が変わる。いろいろなお菓子屋さんで缶をゲットしてもらいたい」と、同社からの一般販売はせずに、店頭で出合ってもらうよう呼びかける。

「お菓子屋さんのために」というブレない信念が多くの人の心を掴み、その先の喜びの連鎖につながっている。これからもその連鎖が大きくなって広がりを見せそうだ。取扱店は公式サイトにて紹介されている。
取材・写真/野村真帆
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