小栗旬、星野源の主演映画「二人の関係性を色濃く」

大阪の新聞記者・阿久津英士を演じる小栗旬と、京都でテイラーを営む曽根俊也を演じる星野源。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
「この二人が主役で、っていうのは純粋に見たいなって」
──しかし最大の驚きは宇野祥平さんですね。宇野さんは僕も大好きな俳優さんで、いまを代表する名バイプレイヤーだと思うんですけれども、メジャー映画でこんなに大きな役を演られたのは初めてじゃないでしょうか?
「ちょっとそうかもしれないですね。原作を初めて読んだときに・・・もちろん、小栗・星野という二人は想定して読んでいたんですけれども、この生島聡一郎というのが大変重要な役として出てきたときに、なんか最初に僕の頭に浮かんだビジュアルが宇野さんだったんですよ。僕はこれまで一緒に仕事したことなかったんですけど、とにかく浮かんでしまったとしか言いようがないんです。実際に主役の二人以外のキャスティングの作業に入ったときに、宇野祥平さんのスケジュール訊いてくださいというところから始まって。結果、一番最初にキャスティングが決まったのが宇野さんでした」
──そうだったんですね!
「実際に初めて会ったとき、宇野さんは全くオファーと関係なくすでに原作を読んでいて、『自分があの役を演るんですか?』とすごくびっくりしてたんですけど、数週間後の本番の日、全く違う人のような風貌で。おそらく十数キロ体重を落として現場に現れたんです。それこそさっき、みんなその人の人生を点でしか描けない、その場面でしか表現できないと言いましたが、聡一郎の人生はいまそこにある自分の身体をもって表現するしかない、そういう覚悟を役者に強いる役だったんだなと改めて思いましたね。すごく説得力があった。おそらく小栗さんと星野さんも、宇野さんの姿から受け取るものがものすごくあったんじゃないかなと思います」

──しかも彼のファーストシーンは真っ暗闇ですもんね。誰だか判別つかない状態で登場するんだけど鬼気だけ迫ってくるという、一種異様な存在感で。生島家のお母さんの篠原ゆき子さんとかもとても良かったですね、いかにも薄倖そうで。もちろん望役の原菜乃華ちゃんも」
「原菜乃華ちゃん、良かったですよねぇ」
──酒井麻衣監督の『はらはらなのか。』(2017年)が僕は大好きなんですが、あれは彼女が小学生から中学生くらいのときでしたかね。ちょっと成長した姿であんないい女優さんになって。
「撮影したときはちょうど中学を卒業するくらいだったんですけれども、このあいだ会ったらものすごく大人になっていましたね。彼女にはちょっとクラシカルな感じがあるじゃないですか? それが今回、昭和の設定にすごくよく合ってたと思いますね」
──梶芽衣子さんと宇崎竜童さんの若かりし頃を演じるのが阿部純子さんと川口覚さんというのにも痺れました。とりわけ阿部さん(笑)。
「もちろん梶さんと宇崎さんのキャスティングが決まらないと始まらない役ではありました。ただ、あの梶さんの『女囚さそり』前後のものを資料として改めて観たりすると、とてつもない美人だなと思って(笑)。阿部さんは前の年に『孤狼の血』(2017年)とかで見ていて、興味のある女優さんでもありましたし、眼差しの強さが相応しいかな、と」
──梶さんとタイプは微妙に違うかもだけど、美しいですしね。いや、絶妙です。
「あと、曽根俊也のお父さんを演った尾上寛之くんもいいな、と。冒頭いきなり尾上くんのシーンから始まるんですけれども、彼自身が持ってる人柄というのか、誠実さがちゃんと現れていて、それが俊也に受け継がれていることがよく分かる。あと、若葉竜也くんや、奥野瑛太くん、水澤紳吾さんなど、今の日本映画に欠かせない勢いのある俳優さんたちが、少ない出番にも関わらず参加してくれて、嬉しかったです。今回のキャスティングは数も多いですし、いろんな意味で大変ではありましたけど、こうして実際に出来上がって一気に見ると、とっても上手くいったなというか、壮観だなと思いますね」
──まさしく1970年以後の、映画史的なものが見えてくる、考えぬかれたキャスティングだと思います。先ほど、小栗旬さんと星野源さんは先に決まっていたとおっしゃっていましたが、監督は原作を読まれる前にそこは前提だったんですか?
「原作を読んだときにはまだ原作権が取れているというわけではなかったのですが、プロデューサーのなかでは、これをどうしても小栗旬と星野源でやりたいというのは明確だったので、完全にそのつもりで読みました」
──素晴らしいタッグですもんね。なにしろキャッチーだし。
「見たことがあるようで実はないね、っていう。僕のやった『コウノドリ』というドラマには出ているんですけれども、二人が絡むシーンはそうなかったのであまり共演という感じはなかったんですよね。だから二人の名前を聞いたときに、それがどんな話かということは関係なく、この二人ががっつり組んで芝居するところを純粋に見てみたいなと思いました」
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